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唖然とする医師

投稿日時:2011/04/25(月) 11:44rss

●「人間は80歳まで強くなれる!」というキャッチコピーに惹かれて『武道の力』(時津賢児著 大和書房)という本を読みました。
 
●この本は、
野球でも相撲でも、サッカー、スキー、マラソン、格闘技など何でもが、20代や30代の若手選手が優勝する。つまりその年齢で選手としてのピークを迎え、それ以降は衰えていくばかりのスポーツの現状に対し、警鐘を鳴らしているのです。
 
●例外は剣道。剣道だけは、若手がハァハァと息を乱していても古老の剣士は微動だにせず勝つ。
このように、鍛え方次第でスポーツは80歳まで強くなれるということを教えてくれる本です。
また、それはスポーツだけではなく、人間の脳の働きも80歳までは強化できると著者は主張しているのです。
 
●単なる理論の書ではありません。著者が今なお実践中のことだけに大いに迫力があります。
 
身体というものは、鍛えないと弱っていく一方です。それにつれて脳まで弱っていくのがやっかいです。
情熱や欲望、闘争心、集中力、根気などといった精神力は、脳の働きに負うところが大きいわけですから、身体と脳は鍛えなければならないのです。
 
●また、かつて合気道・大東流の佐川幸義師範の弟子で、筑波大学の数学教授・木村達雄氏が、オリンピック候補になっていた柔道選手を片っ端から投げ飛ばし、全員を自信喪失にさせてしまったことがありました。
 
その木村氏が書いた本に、ビックリするエピソードが紹介されています。
 
・・・佐川先生は十七歳で合気の極意をつかんでしまった。それを強化するためにいろいろ鍛錬を考えているので、最初から普通の人と考え方もやり方も違っている。(中略)
そして何十年と今でも休みなく鍛錬を続けているのである。なお筆者は、最近先生が使っておられる鉄ゲタ、鉄槌、鉄棒、鉄パイプの槍を見せていただいたが、その重さに驚いた。筆者が実際にこれを持ってみて、これをいきなり使ったら腕をこわしてしまうと思った。
(中略)
佐川先生が九十歳の頃、東大病院に念のための再検査を受けに行ったことがある。医師が運動心電図を計るので何か運動してほしいというと、先生はすぐさま百五十回腕立て伏せをやってしまい、医師を唖然とさせた。
・・・
 
●これを読んだとき、私はすごいと思いました。
 
"継続は力なり"とは言いますが、そんな生やさしい表現ではもどかしい。
鍛えるという行為を継続するとミラクルが起きます。
 
●この佐川先生も、若いころは逆三角形の見事な筋肉質の肉体を作っていたらしいですが、その割に技に効果がないという理由で、考え方と鍛錬法を変えたそうです。
 
●身体も頭脳も80歳までは進化することが分かっただけで、やる気が出てくるではないですか。自分にあった鍛え方を見つけていきましょう。
 
★『武道の力』時津賢児著、大和書房
 → http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479791108/

 

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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