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強そうな組織

投稿日時:2012/08/10(金) 13:30rss

●相手のオーラを見た瞬間、「あっ、今日は負ける」と思った。
ある年の高校野球・東海地区秋季大会でのこと。私が応援する岐阜県代表の学校と戦うのは愛知県代表の愛工大名電でした。体の大きさからして愛工大名電に分があるだけでなく、キャッチボールの正確さ、投げる玉のスピード、ノックの打球の早さや守備の軽快さなど、すべてにおいて相手が上回っているのがスタンドから観ていてもはっきり分かりました。
 
●「今日は負けるぞ」と思ったのは私だけではなかったはずです。岐阜県代表の高校生たちも息を飲むようにして愛工大名電の練習をみていました。戦う前から相手の迫力に飲み込まれてしまったのでしょう、結果はコールドゲームで岐阜代表が敗れ、春の選抜出場への道は断たれたのでした。
 
●この時のように、試合が始まる前から勝敗が分かっていることがよくあります。
2005年にイラクのサマーワの復興支援群長を務めた番匠幸一郎・陸将補の言葉が月刊『致知』に紹介されていました。それによれば、「強い軍隊と弱い軍隊は一目で分かります。『弱そうだ』と思われたらそれまでです。そしてそれは服装の着こなし、目つき、武器の手入れ、清掃など些細なところに表れます」とありました。
 
●野球の強さも軍隊の強さも、ひと目みたら分かるもののようです。
番匠群長による日の丸復興支援群が無事にイラクから帰還できたのは、幸運だけによるものではなく、一糸乱れぬ規律がもたらすオーラが備わっていたからでしょう。「こりぁ、かなわん」と相手に思わせることが大切です。
 
●会社の強さも同様です。会社の強さ、すなわち実力とは、その会社の主力製品や財務内容、ホームページなどを分析しなくてもすぐにわかるものです。オフィスを訪問し、応接セットで10分も座っていれば、強い会社か弱い会社か一目瞭然です。それは社員の活気、清掃レベル、会話などから判明するものです。
 
●あなたも積極的に他社を訪問してみましょう。
 
かつて私は株式投資をしている時期がありました。そのころには、投資候補企業の本社を訪問し、IR部や総務部をおじゃましたことが何度かあります。たかが個人投資家のわずかな資金なのですが、個人投資家を大切にしてくれる企業は株価も堅調でした。それと同時に、会社におじゃますることで雰囲気がよく分かり、とても重要な投資判断材料になりました。あなたも企業訪問を積極的に行ってそこで感じるものを大切にしてみましょう。同時にあなたの会社が来訪者からどう思われているのかもこの際、きびしくチェックしてみよう。
 
 

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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