大きくする 標準 小さくする

2009年04月17日(金)更新

リーダーの魅力

●ある日、無精ひげを剃らないままいつも行っているカフェにいったところ、女性店員に「ちょい悪オヤジみたいですね」と言われました。

●気をよくした私は、それから一週間ひげを剃らなかったのですが、外見をちょっとだけ不良オヤジっぽくしてみたところで、中味が変わらなきゃ意味がないと悟り、結局、ひげはきれいさっぱり落としました。人の中味は生き様で決まるので、どうせならそちらを魅力的にしたいものです

●特に企業のトップである社長は、表面的なビジュアルや発言内容ではなく、生き様が一貫していなければ、魅力が生まれてきません。もちろん、人間ですから悪戦苦闘し、失敗もすることもあるでしょうが、目指すものがぶれてはいけません。

●また、欠点がいくつかあったとしても、人にはない長所があればそちらのほうが魅力となるでしょう。魅力とは、人として欠点がないこと大事なのではありません。たとえ欠点があっても、それ以上に大きな長所があるからこそ、魅力が生じてくるのです
●旧約聖書でも、ダビデがゴリアテを倒したとき、街中大騒ぎになり彼をイスラエルの英雄として扱いました。そのダビデ自身は欠点も多く、ひどいケースだと、自分の部下の奥方に惚れてしまい、奥様ほしさに部下を戦死させたりしています。そんなひどい悪事もしていますが、それを上回るだけの大きな魅力があったからこそ、旧約聖書を代表するヒーローになったのでしょう。

●論語のなかで孔子はこう語っています。

「その知及ぶべし、その愚及ぶべからざるなり」

その意味は、彼の賢い点は真似ができるけれども、馬鹿っぷりは到底まねができないということです。めずらしく孔子が、ある人物の愚のみごとさをほめたたえているのです。

●ダビデにも論語にも共通する人間の魅力とは、次の5つにまとめられるのではないでしょうか。

1.誰にも負けない強みがある(長所)
2.人よりはるかに劣るような弱みがある(短所)
3.それらを隠そうとしない(裏表なし)
4.バカなことができる(愚)
5.周囲が想像できないほど高い志がある(イチローのような孤高な「志」)