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2009年09月04日(金)更新

総選挙を終えて

●総選挙が終わりました。四年前は「小泉チルドレン」が多数誕生し、今回は「小沢ガールズ」が自民党の大物議員を次々に喰っていきました。これが時流に乗るということの凄みでもあり、怖さでもあります。

●民意を味方につけた民主党候補者の中には、一度も街頭演説せず、選挙活動らしいこともまったくしないまま当選してしまった人がいます。しかも彼女は、選挙の二週間前までは自分が代議士の候補者になることすら予測していなかったというのですから、ちょっと民主旋風も吹きすぎたのではないかと思うほどです。

●ドラッカー教授は、真のマーケティングとは販売を不要にするものだと言いました。「顧客について十分に理解し、顧客にあった製品やサービスを作ることで、販売しなくても勝手に売れていくものだ」と説き、それこそが真のマーケティングであるとしたのです。

●民意を味方につければ、演説しなくても当選する。同様に、民意に背けば、たとえ元総理大臣であっても落選する、ということです。
●私たちはもっと民意を知りましょう。顧客が何を望んでいるのか、何に困っているのかを知る必要があるのです

●かつて、私は経営者会報ブログで「永遠不滅の三大ニーズ」について書きました。

◇ディスカウントニーズ(安い)
◇コンビニエンスニーズ(ありがたい)
◇スペシャリティニーズ(他に比べるものがない)

の3つです。

●圧倒的なまでに顧客を味方につけるためには、通り一遍のニーズを満たすだけでは不十分です。ちょっと安い、ちょっとありがたい、ちょっとすごい程度ではだめなのです。「圧倒的に安い」、「圧倒的にありがたい」、「圧倒的にすごい」と言わせなければなりません

●今回の選挙では、リーマンショックや、サブプライム不況と歩調をあわせてしまった麻生自民の不運もありました。ですが、オウンゴールのように不用意な失点を重ねたのも事実です。ですから、民主が勝ったというよりは、自民がこけたというべきでしょう。

●ビジネスでは、誰かがこけるのをじっと待つわけにもいきませんので、常に競合を上回るか、競合がいない所で勝負していくことになります。また、政治と違ってビジネスは、「毎日が投票日」と意識しなければなりません。民意を問い、味方につけることで時流に乗り、旋風を起こしましょう。