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2011年04月01日(金)更新

確認しよう「聖」と「俗」

●空海は高野山を開くにあたり、「結界」というものを設定しました。
「結界」とは、神聖な場所と世俗的な場所を厳しく区別する境界のことを言い、結界内には、修業の妨げになるような世俗的なものは一切が排除されたのです。
高野山を取り囲む尾根道など二箇所に境界線を設けた空海。宗教家にとっては、「聖」と「俗」とをきっちり区分けすることが大切なのでしょう。
 
●芸術家のピカソもこんなことを言っています。
「回教徒が寺院に入るとき靴を脱ぐように、私は仕事中、ドアの外に肉体を置いてくる」。
 
本来なら私たちの職場もそのような場所なのですが、パソコンとインターネットによってゲームも映画もアダルトも友だちとの私用メールも、なんでも一台で済ませられるようになってしまいました。それはある意味、大変便利なのですが生産性や集中力という点で由々しき問題でもあります。
 
●何年か前、ヨーロッパの企業で重役の一人がアダルトサイトにアクセスしていたことが発覚し、辞任に追いやられるという"事件"がありました。
本人にしてみれば、ちょっとした息抜きのつもりなのでしょうが、組織のリーダーが率先して禁止事項を破った代償はあまりに大きかったのです。
 
仕事中の息抜きが悪いのではありません。息抜きの内容です。
 
●オフィスの中には、仕事に関係しないモノは持ち込まないこと。それは新入社員教育で教えることです。すべての私物はロッカーに預け入れるのは当然のこと。問題はパソコンや携帯、スマートフォンなどです。
 
会社で使うパソコンは、
 
・ゲーム類のソフト削除
・インターネットサイトへのアクセス制限
・メール内容の監視(私用メールの禁止)
 
などの徹底が必要でしょう。
 
●人間として器量が大きい人のことを、"清濁あわせのむ"という表現で称賛しますが、「聖」と「俗」はあわせのむことはできないかもしれません。
パソコンは仕事と連絡手段の道具と割り切り、ゲームや映画などは専用機で楽しむのが一番賢明なのでしょう。
 
もういちど、部下のパソコン使用に関する規定を整備しておきましょう。