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社長業を極めるためのカリキュラムについて、「日本的経営のリニューアル」という視点から紹介します
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2012年04月02日(月)更新
妥協した理念
●就職活動している学生たちは何を基準に企業選びをしているのでしょうか。
好きな職種に就きたい、社風が良いところ、学校の先生や先輩から奨められたところ、夢が感じられる会社などと並んで多いのが「経営理念がしっかりしているところ」だそうです。
昭和の時には「理念なんかでメシが喰えるか」と理念を軽視する社長が少なくありませんでしたが、最近はそうした”豪傑”は減ってきて、皆さん理念が大事だとおっしゃいます。
●「理念を曲げちゃならんのです」と京セラ創業者の稲盛和夫さん。以前に見た NHK教育テレビの番組『知るを楽しむ』での一コマでした。
NHKの女子アナが稲盛さんに食い下がります。この女子アナ、もの分かりが悪いのか、それとももの分かりが良いのに番組の進行上あえて食い下がっているのか分かりませんが、このしつこさがちょうど良かった。
●女子アナ:「会社を守るためには少しくらい妥協しなくちゃいけない時があると思うのです。もし理念を守ることで会社がつぶれそうになった場合はどうするのですか?」
稲盛さんは即答しました。
「その時はつぶすのです。理念も哲学もない会社が生き残っても意味がないのです」と続けました。
●女子アナは粘ります。
「社員や会社を守るためだったら、少しくらいの妥協は許されるのではないでしょうか」
「いや、決して妥協してはならんのです。妥協した瞬間、社員のためにも社会のためにも必要がない会社になるのです」と稲盛さん。
●稲盛さん曰く、少しくらいという気持ちで一度妥協すると、今度は妥協したところが新しい判断基準になる。次には、その基準からまた妥協していって、どんどん基準が緩んでいく。本人たちは「うちの会社には理念が存在する」と思っているが、実際にはそうした妥協だらけの会社には理念が存在しないも同じなのです、ということでした。
●「あ、なるほど」とすぐに分かったフリをしてしまうのではなく、とことん分かるまで質問することの大事さを教えられる場面でした。
あなたの会社の理念についても同様に、社員から粘り強く質問されてみてはどうでしょう。