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2010年03月26日(金)更新

西郷式

●Do it now! 今すぐやろう。考える前にとにかくやる。いつまでもぐずぐず考えていたら日が暮れてしまいます。その効用をもっとも感じるのは起床のとき。早起きの必要性を本やセミナーでいくら学んだところで早起きはできません。早起きしたかったら早起きするしかないのです

●昔、西郷隆盛さんは朝寝坊の自分にほとほと困っていたそうです。このままの自分では倒幕だ、薩長同盟だ、の騒ぎではない。何とかして早起きの習慣を身につけないと、かみさんに頭が上がらない平凡な役人人生で終わってしまうと考えたことでしょう。

●そこで西郷さんは自分にあった早起き法を開発しました。人呼んで「西郷式朝起き」。私はメルマガの発行を始めた2000年以降、この方式を取り入れて起きるように心がけています。「西郷式」のノウハウはいたって簡単なもの。

●明け方、ふとんの中で目が覚めたら、今何時かを気にしません。一秒も躊躇せず布団をけ飛ばし、その拍子でスックと立ち上がり厠(トイレ)に行きます。厠にいるうちにやがて目が覚めてきます。あとは二度寝しない。これが「西郷式朝起き」です。高血圧の人や高齢者にはおすすめできませんが、そうでない限りおすすめです
●とにかく、すぐに起きることが大切なのです。
私は今でも目覚まし時計に起こされたり、かみさんに起こされることもありますが、自然に目覚めることが多くなりました。外が真っ暗で静まりかえっていると、時計だけみてもう一度寝ようと思うこともありますが、なるべく目が開いた瞬間が起床時間なのだと思うようにしています。時にはそれが午前2時だったり3時だったりして結局午後には昼寝が必要になるときもありますが、それでも構いません。

●「私は○時間眠らないとダメなたちなので・・・」という人もいますが、それはアファーメーション(自己宣言や自己暗示)のようなもの。そうした制約で自分を縛らないことをおすすめします。

●ところで早朝に起きて何をするかを決めてありますか?
大好きな紅茶を楽しみながら読書するもよし、音楽を聴きながら散歩やジョギングも良いでしょうし、写経しながら精神を集中するのも良いでしょう。とにかく朝起きて楽しみなことが多ければ多いほど、目覚めはさわやかですし、眠りもおのずと深くなることでしょう

西郷式、まずはあなたもお試しあれ!

2010年03月19日(金)更新

最小限が最大限に

●息子の友人が以前、名古屋の人気ラーメン店でアルバイトしていました。仮にA君にしておきましょう。あるとき、A君からこんな話を聞きました。

初出勤の日のこと。
さすが人気店だけあって、ランチタイムは嵐のような大混雑だったそうです。ピーク時には外に行列が30人ほど出来たと言います。しかし、午後2時を過ぎるとさすがに外の行列が途絶えました。

●ホッと一息ついたA君に対し、店長が皿洗いを命じました。
「はい、わかりました」と元気よく洗いものを始めたA君。店内外の様子や他のスタッフの仕事ぶりをチラチラみながら洗いものをしていると、店長が大声で怒鳴りました。
「こらA、チンタラ洗ってるんじゃない。全力かつ大急ぎで洗え!」

●その後、休憩時間に店長からこんな説明を受けたそうです。

店内の忙しさにあわせて仕事を調整するんじゃない。そんな高等判断を新人アルバイトに求めてなんかいない。君に要求したいことはただひとつ、いつも全身全霊で目の前の仕事を集中し、一気に片付けろ。さっきのおまえの皿洗いは、まわりの様子を見ながら心ここにあらずという状態でやっているのがすぐ分かった」
●A君は謝りながらも、言い訳しました。

「店長、すいませんでした。でも、もし全力で皿洗いをして洗うものがなくなってしまったら、やることがなくなってヒマになります。僕だけやることがなくなるのが嫌だったのでそうしました」

すると店長は言いました。
おまえをヒマにしないのが俺の仕事だ。もし本当にヒマになれば、"休憩"という指示を出す。大切なことは、ダラダラした仕事ぶりを体にしみこませないことなんだ。それがしみこんじゃうと、本当に忙しくなったとき、最高速に戻すのが大変なんだ。焼きが回ると鈍るんだよ。だから普段から最高速で仕事をして、少しでもたくさんの仕事をこなせるようにして、おまえをこの店で使える人間にするんだ。それが俺の仕事だ

●自己啓発教材のSMIを創ったポールマイヤー氏は、「あなたが今日行う必要最小限のことは、やがてあなたが出来る最大限のことになる」と述べています。
毎日、必要最小限のことしかやっていないと、やがてそれが最大限の仕事になってしまうというのです。

部下には時間調整などさせず、たえず全力で仕事をさせましょう。それが上司の役目だと思います

2010年03月12日(金)更新

目標と見通し

●今日は目標と見通しについて考えてみましょう。

ある時、二人の社長が議論していました。

・A社長の意見
一度決めた目標はやすやすと修正すべきではない。そうしないと社員も成長しないし、モティベーションも維持できない。だから、かなり目標との誤差が出るとわかっても、最低半年間は目標修正しない。できれば一年間は目標を変えずに行くべきだ。

・B社長の意見
目標は現実性を帯びていないと意味がない。修正すべきだと思ったら、いつでも臨機応変に修正すべきである。目標値は資金繰り予定にも直結してくるのでなおさら実態に即していなければならない。

という二つの意見があります。あなたはどちらのタイプでしょうか。
●例をあげて考えてみましょう。

ある会社は、年間売上高目標を12億円と掲げ、毎月1億円ずつ売上げると決めました。
昨日でちょうど2ヶ月経過し、実績をチェックしたところ、
1月実績0.7億円、2月実績0.5億円という厳しい状況が続いていました。

こんなとき、A社長の会社ではやはり月間1億円という月間目標を変えずに3月もそれに挑戦するでしょう。一方、B社長のもとでは、すかさず0.6億円程度に減額修正し、必達を誓うのです。

さて、どっちの経営が正しいのかが問題です。

●私の考えでは、どちらも正しいし、どちらも間違っていると思います。
正しいやり方は、A・B両方のやり方を取り入れることではないでしょうか。つまり、「挑戦目標」と「見通し目標」とを使いわけるのです。
いや、正確に表現するなら、「目標」と「見通し」を使い分けるということです。

●「目標」として掲げた毎月1億円、年間12億円という数字は、少なくとも四半期または半期は変更すべきではありません。目標にこだわることに対する社員への教育と“しつけ”だからです。

●一方、「見通し」として掲げた数字は、あくまで現実に即したものです。今の延長でいけば将来はどうなるのかという予測でもあります。この数字をもとに社長は、通期の業績見通しや資金繰り計画を組むのです。
正しい経営実態を見誤らないためにも、毎週とか毎日など、細かいピッチで「見通し」は修正していくべきでしょう。

この二つの使い分けが出来るようになっていくことが計画経営力を高める要素だと思います。もちろん、社員には一貫して「目標」に意識を集中してもらいましょう。
ただし、社長はいつも現実的な「見通し」も持っていて、早め早めに悪い状況にも即応していくということが、景気低迷期に会社を守る大切な術だと思います。

2010年03月05日(金)更新

冬季五輪のメダル数より

●バンクーバー五輪が閉会しました。カーリングやフィギュアスケート、ジャンプ、モーグル、スピードスケート、複合競技などで熾烈なメダル争いをしてくれたおかげで連日楽しませてもらいました。そのおかげか、今回ほど「冬季五輪がおもしろい」と実感できた大会はなかったように思います。

●ただし、関係者にとって気になるのはメダルでしょう。

メダルの数という点で事前の期待や予想を下回るものになってしまいました。国別のメダル獲得数を金メダルの多い順に並べてみました。

 <2010年バンクーバー五輪 メダル獲得数>
 金  銀  銅  合計 
1位:カナダ 14  7  5  26個 
2位:ドイツ 10  13  7  30個 
3位:米国 9  15  13  37個 
4位:ノルウェー 9  8  6  23個 
5位:韓国 6  6  2  14個 
6位:スイス 6  0  3  9個 
7位:中国 5  2  4  11個 
7位:スウェーデン 5  2  4  11個 
9位:オーストリア 4  6  6  16個 
10位:オランダ 4  1  3  8個 
11位:ロシア 3  5  7  15個 
20位:日本 0  3  2  5個 


●日本のメダル5個という結果はトリノの1個よりは躍進しました。
しかし、他のアジア勢の韓国(金メダル数5位)や中国(7位)と比較すると見劣りするのは明らかです。選手個々はよく戦ったと思うので、イメージとしては選手任せの日本、国の総力をあげたカナダや韓国という図式でしょうか。

今回、ロシアの低調ぶりも目立ちました。プーチンが「我慢ならない」と激怒しているそうですので、次回のソチ(ロシア)大会でどれだけ巻き返しするか、注目ですね。
●国別メダル数=選手個人の力+国の強化費用

強化費用とは何でしょうか。
可能性ある選手を発掘し、練習に集中できる環境を与え、優秀なコーチをつけ、国外試合などの経験を豊富に積ませ、メダル獲得時のご褒美をしっかり与えればトータルとしてメダル数は伸びていって当然です。

●あとは、国として政府としてどれだけお金を拠出できるかという意志の問題が残っています。国の財政力の強い弱いも関係あるのでしょうが、他の国家予算に比べたら100億円程度など微々たる金額だと思います。多分に「意志」なのです。

●さて、上記の「メダル数」のところを「人材数」に変えてみたら、「国の強化費用」は「会社の教育予算」と置き換えることができそうです。

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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