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社長業を極めるためのカリキュラムについて、「日本的経営のリニューアル」という視点から紹介します
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2006年12月09日(土)更新
ドラッカーが指摘する「劣後順位」という観点
●出前の握り寿司がここにあります。あなたは何から順に食べますか?
私は、大好きな穴子と玉子を最後に残し、まずは白身かタコあたりから手をつけることが多いです。
●先日、ある経営者と出前の寿司を一緒に食べたとき、私のそうした食べ方を見て、笑いながら忠告されました。
「武沢さん、どうして好きな順に食べないのですか? 嫌いな順に食べると、まず一番嫌いなもの、次に二番目に嫌いなもの、最後に一番嫌いではないものを食べる、という順になる。それじゃ、いつまでたっても好きなものにありつけない」
「その点、私は好きな順に食べるので、いつも寿司おけの中の一番好きなものを食べることができる。それに今、もし地震があって逃げることになっても後悔しない」
どちらから食べようと好みの問題なので、お互い罪のない話ではあります。
●ところが、仕事の進め方となると笑っては済まされない問題です。仕事には、目標設定と優先順位が大切であることはご存知の通りですが、実はそれだけでは不充分かもしれません。
●ドラッカーが指摘しているように「劣後順位」という観点も忘れてはならないのです。
●劣後順位とは、優先順位の逆さの意味で使われます。手をつけてはならない仕事を決めることです。経営者がやるべきことは、優先順位の設定だけではなく劣後順位の決定も大切なのです。
●寿司であれば、どちらから食べようともやがてはすべてを平らげる。しかし、仕事は永遠に私たちの許容量を超えるのです。すべてをこなすことは出来ません。
●「社長としての私は、何をしてはならないか」
ある勉強会で、この質問を投げかけました。参加者は各自、ノートにその回答を書き込んでいきます。最初のうちは、集金や伝票発行、コンピュータ入力などの無難なものが並ぶ。やがて経営者は考えます。
「本当に自分でなければならない仕事とは何か」
●そうすると、今やっている仕事の大半が本来は劣後順位のリストに入れるべき項目であることがわかります。ですが、なかには屁理屈をいう人もいます。
「集金は自分でなくてもやれるが、自分が行くことでお客の生の声も聞ける」
「自分の手でコンピュータに営業マンの個人成績を入力することで、一人一人の活動状況が手にとるようにわかる」
などの言い逃れをするのです。
●ドラッカーはさらにこうも言います。
「トップ本来の仕事は、昨日に由来する危機を解決することではなく、今日と違う明日をつくり出すことである」
私たちの合い言葉は、
◇日常業務をこなすよりは明日のための仕事を
◇問題解決よりも機会の創造を
◇他社の後追いではなく独自性を
◇無難な調整ではなく、勇気ある変革を
です。
●劣後順位という考え方は、経営者の仕事の仕方にとどまらず、会社全体にも普及させたいものです。
●私自身の反省にもなりますが、中小企業の経営計画書がうまく機能していない理由のひとつに優先順位主義があるのではないでしょうか。社長が勉強しておられる会社ほど総花的な経営計画書になりやすいのです。
私は、大好きな穴子と玉子を最後に残し、まずは白身かタコあたりから手をつけることが多いです。
●先日、ある経営者と出前の寿司を一緒に食べたとき、私のそうした食べ方を見て、笑いながら忠告されました。
「武沢さん、どうして好きな順に食べないのですか? 嫌いな順に食べると、まず一番嫌いなもの、次に二番目に嫌いなもの、最後に一番嫌いではないものを食べる、という順になる。それじゃ、いつまでたっても好きなものにありつけない」
「その点、私は好きな順に食べるので、いつも寿司おけの中の一番好きなものを食べることができる。それに今、もし地震があって逃げることになっても後悔しない」
どちらから食べようと好みの問題なので、お互い罪のない話ではあります。
●ところが、仕事の進め方となると笑っては済まされない問題です。仕事には、目標設定と優先順位が大切であることはご存知の通りですが、実はそれだけでは不充分かもしれません。
●ドラッカーが指摘しているように「劣後順位」という観点も忘れてはならないのです。
●劣後順位とは、優先順位の逆さの意味で使われます。手をつけてはならない仕事を決めることです。経営者がやるべきことは、優先順位の設定だけではなく劣後順位の決定も大切なのです。
●寿司であれば、どちらから食べようともやがてはすべてを平らげる。しかし、仕事は永遠に私たちの許容量を超えるのです。すべてをこなすことは出来ません。
●「社長としての私は、何をしてはならないか」
ある勉強会で、この質問を投げかけました。参加者は各自、ノートにその回答を書き込んでいきます。最初のうちは、集金や伝票発行、コンピュータ入力などの無難なものが並ぶ。やがて経営者は考えます。
「本当に自分でなければならない仕事とは何か」
●そうすると、今やっている仕事の大半が本来は劣後順位のリストに入れるべき項目であることがわかります。ですが、なかには屁理屈をいう人もいます。
「集金は自分でなくてもやれるが、自分が行くことでお客の生の声も聞ける」
「自分の手でコンピュータに営業マンの個人成績を入力することで、一人一人の活動状況が手にとるようにわかる」
などの言い逃れをするのです。
●ドラッカーはさらにこうも言います。
「トップ本来の仕事は、昨日に由来する危機を解決することではなく、今日と違う明日をつくり出すことである」
私たちの合い言葉は、
◇日常業務をこなすよりは明日のための仕事を
◇問題解決よりも機会の創造を
◇他社の後追いではなく独自性を
◇無難な調整ではなく、勇気ある変革を
です。
●劣後順位という考え方は、経営者の仕事の仕方にとどまらず、会社全体にも普及させたいものです。
●私自身の反省にもなりますが、中小企業の経営計画書がうまく機能していない理由のひとつに優先順位主義があるのではないでしょうか。社長が勉強しておられる会社ほど総花的な経営計画書になりやすいのです。
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