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2007年04月13日(金)更新

幸せホルモンを分泌させよう

仕事をする以上は、それ自体を思いっきり楽しみたいものです

●大好きなゴルフで腕を磨くために練習場でボールを打ち、コーチにレッスンを受ける時のような熱心さと向上心をもって仕事ができたら、どんなに幸せでしょう。
「仕事と趣味を一緒にするのはおかしい」
という意見もあるでしょう。もちろん、一緒にするつもりはありませんが、やっぱり仕事は楽しくなければならないと思うのです。

●最初は好きで始めた仕事でも、毎日同じことを単調にくり返しているだけだと、やがて仕事は義務と化し、好きだった仕事も好きではなくなってしまうものです。

●つい数年前に、「脳内モルヒネ」という言葉が流行しました。ベストセラー本で紹介された「脳内モルヒネ」とは、「βエンドルフィン」といわれるホルモン。私たちの体内で分泌されるもので、麻薬以上に快感を得ることができる、と紹介されました。

●こうした "幸せホルモン" は、私たちが心の底から喜んでいる時や、楽しいと思っている時に分泌されやすいと言われています。楽しいことを想像しただけでも脳内モルヒネが出るときがありますが、それは一時的な話。大切なのは、持続的に幸せホルモンが出ることです
●たとえば、次のようなケースでは、ある程度持続して "幸せホルモン" が出ていると考えられます。

◇マラソンランナーが苦しさを乗り越えたときに訪れる「ランナーズ・ハイ」
◇登山家が険しい登山の最中にいっさいの恐怖心がなくなる「クライマーズ・ハイ」
◇ダイエットで空腹の辛さを乗り越えたときに訪れる「ダイエット・ハイ」
◇猛烈に忙しいはずなのに、疲れを全然感じない「ハードワーク・ハイ」

●幸せホルモンが持続的に分泌された結果、ふだんなら出せないような力を発揮できることだってあるのです。これを「潜在能力の発揮」ともいいますが、それは長時間労働や義務的な労働では決して得ることはできません。無上の喜びや、極上の楽しみを感じているときだけ得られるのです。

●ゴルフや趣味に熱中するのも悪くありませんが、しょせんゴルフはゴルフ、趣味は趣味。現実のビジネスや会社経営という仕事は、本来、ゴルフや趣味などとは比べものにならないくらいに面白いはずです。いや、面白くしなければおかしいのです。

●そのために、経営者をはじめとして社員全員の脳にある「βエンドルフィン」が分泌するような仕事のスタイルに変えましょう

●そこで、定期的に次の四つの視点で仕事をチェックされることをご提案します。

1.仕事そのものが刺激的か?
2.仕事の進め方が刺激的か?
3.仕事仲間や顧客が刺激的か?
4.仕事の報酬が刺激的か?

●この四つに対して「YES」「NO」「どちらでもない」で回答してみましょう。
四つともが「YES」であれば最高。あなたは今、仕事に熱中しているはずです。

●最悪なのは、すべてが「NO」のとき。これでは、仕事がつまらないどころか、「ノルアドレナリン」という不幸せ感とストレスを増幅させるホルモンが分泌し始めます。それを断固として阻止しなければ、うつとか出社拒否といった結果を招きかねません。

仕事が面白いか、面白くないか。仕事が楽しいか、楽しくないか。そうした素直な感情を大切にキャッチし、幸せホルモンが途切れないよう、早めに手を打っていきましょう。