大きくする 標準 小さくする

2009年03月19日(木)更新

挑戦者の顔つき

●読売ジャイアンツにいた頃と、ニューヨーク・ヤンキースに行ってからの松井秀喜選手の表情を比較してみると、後者の方が断然引き締まっていい表情になったように思います。それは、巨人時代の「花形選手」であった状態と、ヤンキースに行って「一人のチャレンジャー」となった状態の違いからきているのではないでしょうか

●かつて「文藝春秋」に松井選手の父親が手記を投稿したことがあります。それによると「『メジャーの方が楽だよ』と松井選手が言っている」とのことでした。といっても、野球の質やレベルが楽なのではなく、野球をする環境の話です。メジャーの方が野球に集中できるとのことでした。

●たとえば、メジャーは移動が大変で、試合が終わるとすぐに飛行機に乗って、遠征先のホテルには深夜に到着します。移動時間の長さやホテル住まいのわずらわしさは日本の比ではないでしょう。しかし、そういった環境だからこそ野球に集中できるらしいのです。

●また、日本と違って

・試合後の夜の付き合いがない(これは出来ないというべきか)
 ⇒酒もタバコもやらない選手が多く、わずらわしい付き合いがない。
  そもそも、お互いにそんな時間がない。

・試合後の移動は大変だが、飛行機横付けでバスが来る。
 ⇒それに乗れば自動的にホテルへ行ける。次の日は昼までぐっすり眠れる。

・日本に比べ、練習量が少ない

●精神的には、日本にいたときよりもハードでプレッシャーがかかる毎日のはずです。メジャー選手といえども、来年も在籍しているチームでプレイできる確信を持っている選手は少数派だと聞きます。強烈なライバルがチームの中に何人もいるなかで、メジャーリーガーとしての生き残りをかけているからこそ、毎日が真剣勝負となります。それが、野球好きにとってこの上なくありがたい環境なのでしょう。

●勝つか負けるかわからない勝負に挑戦しつづけ、それに勝った経験をすると、人は顔つきが変わります。私たちも一人のチャレンジャーとして良い顔になり、勝負に勝ってさらに良い顔になりましょう