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2011年02月04日(金)更新

捨てよう

●何でもかんでも使い捨ての時代は終わり、今やリサイクルの時代です。
乾電池だって充電式のものが増えてきました。我が家も単三乾電池は充電式のものを使うようにしています。「捨てない」時代到来!

●かと思いきや、片方では「捨てる」こともブームになっています。

ある日のこと、amazonで「捨てる」をキーワードにして検索したところ、82作品がヒットしました。その上位10作品には次のような著作が並んびました。

1.「捨てる!」快適生活―部屋スッキリの法則
  飯田 久恵 (著) 三笠書房 ¥1,260
  
2. 捨てる!スッキリ生活
  辰巳 渚 (著) 幻冬舎  ¥1,155

3. 辰巳渚の「捨てる!」生活―家まるごと2日でスッキリ!!
  辰巳 渚 (著) 高橋書店 ¥1,365

4. 「捨てる!」技術
  辰巳 渚 (著) 宝島社 ¥735

5. 「捨てる力」がストレスに勝つ
  斎藤 茂太 (著) 新講社 ¥1,365

6. 運の流れにのる、たったひとつの方法―「捨てること」からはじめよう!
  中野 裕弓 (著) 大和出版 ¥1,260

7. 「超」整理法〈2〉捨てる技術
  野口 悠紀雄 (著) 中央公論新社 ¥580

8. 捨てる達人・収納名人―スッキリ暮らす50の鉄則
  芳垣 真之 (著) 三水社 ¥1,365

9. 心のシンプルライフ―「過去」「感情」「未来」「葛藤」「正しさ」「自分」…。
  -心の不要品をすべて、徹底して捨てる技術。
  ヒュー プレイサー (著), ヴォイス ¥1,785(税込)

10. もう一度「捨てる!」技術
  辰巳 渚 (著) 宝島社 ¥630

いずれも最近売れた本です。

●貯め込むのが好きで、捨てるのが下手な私。
限られたスペースしかないオフィスや自宅も物だらけになってしまいます。「これじゃダメだ」と、年に数回大掃除をします。ということは、年に数回キレイになるだけであとの360日はキレイでないということです。意を決して「捨てる、貯めない、キレイにする」を続けたいと思っています。

●捨てる・・・
捨てるべき物は「物」だけではないはずです。精神的な "もの"の中にも捨てるべき"もの"、脇へ置いておくべき"もの"があると思うのです。
斎藤茂太著『「捨てる力」がストレスに勝つ』によれば、旅を楽しむためには、夫も妻も、捨ててゆかねばならないものがあるといいます。
夫は、仕事のことや自分がスポンサーであるというおごり、夫であるという意識など。
妻は、子どもの事、家庭の事、戸締まり、火の用心、お金のやりくり、などなど。つまり、我が家と我が職場を捨てないと旅が楽しめないというのです。

●日常を引きずったままの旅など、真の旅とはいえないのでしょう。
私も何度か旅先でかみさんと言いあらそいをしてしまったことがあり、「こんなことならもう二度とあなたと旅行なんかしない」と言い合ったものです。

●捨てることが大切なのは旅だけではありません。
そもそも人生が旅なのですから、定期的に何かを捨てないと船底にくっついた蛎殻(かきがら)だらけの重~い船体になってしまいます。重くなるのは体重だけではありません。心も重くなるから心の病が増えているのです。

●斎藤氏によれば、捨てたいものとして
・過去の栄光
・名誉や誇り
・我欲
・似合わない、ふさわしくないもの
・背伸びしていたこと

などを捨てようと説きます。それらを捨てることによって身軽になり、新たに得られる何かがあるとも指摘します。

●また、氏は、定年に近い年齢になってくると捨てる準備をしなければならないものがある、として
・仕事への野心
・地位があったころのプライド
・人に指図する癖
・何かと偉そうな態度
をあげています。いつまでも現役バリバリのころのような態度をとっていると、"孤独な年寄り"になるともオドス。

●最近、心のメンテナンスが足りないなぁとお思いの方は、物心両面でいろんなものを捨ててみましょう。なんだか気分が重いなとお感じの方、ふさわしくない目標、背伸びした目標になっていないか点検しましょう。

気負いも衒(てら)いも捨ててこそ、浮かぶ瀬もあるはずです。