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2012年06月01日(金)更新

ある会社の社員総会

●父の会社を継ぐために大企業の管理職という立場を投げすてて、地元にもどったA社長(43歳)。
世界規模の製造業で20年間勤務し、営業、製造、品質管理、安全管理、労務管理や人事管理など、あらゆる経験と知識と技術を手みやげに父の会社に凱旋されました。いや、「凱旋」するはずでした。
 
●ところが、まるで異国に初めてやってきた外国人のように「言葉が通じない、常識が通じない」という思いをすることになります。トップダウンもボトムアップも通用しません。人対人のハートの振動が同じ波長にならない。立場や言葉だけでは人を動かせないことを痛感することになります。A社長にとっての本格的な格闘がはじまったのでした。いや「格闘」なんて表現でもきれい過ぎるかもしれません。彼が社長でなかったらとっくに胃潰瘍で入院しているか、会社を辞めていたはずです。それほどのもがき苦しみが「凱旋」のあと数年続いたそうです。
 
●つい先日、A社長の会社の第一回「社員総会」が開かれることになり、私も招かれました。百名近い社員が制服で勢揃いする中、第一部が「経営方針発表会」、第二部が「安全大会」という構成で行われました。
 
創業50年近くになるそうですが、こうした社員総会が開催されるのは初めてのこと。A社長が考えていることを伝えるだけでなく、各現場からあがった目標も部門長が発表されました。ようやくここまでたどり着いたというべきでしょうか。
 
●「経営方針書」の内容はまだ緒についたばかりの段階。
目指す全員参加型経営は今日が実質上の初日です。よちよち歩きではありますが、門出を祝ってあげたいという気持ちと、本当の格闘は今日からが本番! とゲキを飛ばしてきました。
 
 「がんばれA社長!」