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社長業を極めるためのカリキュラムについて、「日本的経営のリニューアル」という視点から紹介します
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2009年01月16日(金)更新
仕様をくれ
●「日本のIT技術者は諸外国にくらべて向上心が乏しい」
こう嘆くのは、他国の技術者を使ってソフト開発のビジネスを展開し、帰国子女でもあるI社長。Iさん自身、技術解説書を書いているくらいの人なので、人並み以上にそう感じているのでしょう。
●「サラリーマン根性丸出しの技術者は論外として、独立志向の強い人であっても“そこそこの状態”というレベルで停滞している人が多く、さらに上を目指そうというエネルギーが不足しています。これは大手企業の技術者でもベンチャーの技術者でも、さほど変わりません」とIさんは続けます。
●私はそれを聞きながら頭のなかでは、「これは技術だけの問題ではないぞ。営業でも経理でもマネジメントでも、みんな同じかもしれない」と思っていました。
●その道のプロとして専門性を高めることを怠ってはいけないのは、どの分野でも同じです。でも、「専門バカ」になることなく、コミュニケーションや企画立案などのビジネスセンスを同時に磨いていくこともまた、重要ではないでしょうか。技術者だから技術だけを深める、と考えていてはすぐに行き詰まります。
●聞いた話では、二流以下のソフトウエア開発技術者がよく言う共通のセリフがあるそうです。それは
「仕様をくれ」
だそうです。
●例えばサイト構築の案件で、プロジェクトの会議でも頭のなかは仕様のことしかなく、サイトを面白くするためのアイデアが出ない。これでは技術者ではなく職人というべきでしょう。プロジェクト会議で出てくる他のアイデアに対しても、「私が気になるのは仕様だけなんです」という雰囲気が言葉の端々にあらわれたりします。そんな技術者をみたら言ってやりましょう。
「君はしようがないな」と。
●技術はあくまでも手段であって、決して目的ではありません。顧客は技術を買っているのではなく、それを通して自分(自社)が得られる利益を買っているのです。使い古された言葉ですが、「ソリューション(問題解決)を求めている」と言い換えることもできるでしょう。
●技術がわかる営業マン、あるいは営業ができる技術者のことをセールスエンジニアと言いますが、あなたの会社には、どれだけのセールスエンジニアを抱えているでしょうか? そのような人材は、育成には時間がかかりますが、時間をかけてでも育成に値する価値があります。
●ここでひとつたとえ話をしましょう。あなたはハンバーガーショップに行き、ダブルチーズバーガーとコーラセットのLサイズを注文したとします。
●ところが店員が、「まことに申し上げにくいのですが、お客様の体型からみて、かなりの体脂肪が付いていらっしゃるご様子。将来のことを考えて、フィレオフィッシュにウーロン茶をお勧めいたしますが、いかがでしょうか?」と言われたらきっと不愉快な気持ちになるでしょう。ここに「ソリューション」のヒントがあるような気がします。
●ハンバーガーショップの店員に期待されているのは、顧客の注文通りに迅速かつ気持ちよく仕事をすることであり、そうした仕事ぶりにこそ価値があるのです。それ以上でもそれ以下でもありません。
●では、IT技術者はどうあるべきなのでしょうか? ハンバーガーショップの店員とは明らかに違い、顧客のリクエストを正確に理解するだけでなく、その真意や奥にある価値観、理念なども理解しようとする姿勢が大切なのです。時には、それらを見抜いたうえで顧客のリクエストとは異なる代案を提示し、意見を闘わせる場面も必要かもしれません。
●ちなみに以下は、ある会社と共同で作った技術社員のソリューション表です。その会社では、ある時期、この表を評価表に転用していました。
◆レベル1.「技術フェチ」
関心の対象は自分の技術や知識である。それが使えない状況が続くと、
ストレスがたまり、顧客や会社の悪口を言い始める。仕事で良い結果が
出なかったときにも、自分を省みず周囲を非難する。
◆レベル2.「忠実なしもべ」
言われたことを正確に実行するという意味で、ハンバーガーショップの
店員と同じ。技術の確かさを証明するのが喜びであって、顧客の要望する
結果が出たかどうかは興味がない。
それは顧客側の問題であって自分には関係がないと思っている。
◆レベル3.「コミュニケーター」
関心の対象は“顧客”の成功である。“顧客の期待”を明確に知るために
コミュニケーションをとる。顧客の要求を実現するためには、
どうすべきかを技術問題はいったん後回しにして考える。
◆レベル4.「伝道師」
顧客が成功するためであれば、いかなる対応もしてみせる覚悟がある。
顧客の要望を鵜呑みにするだけでなく、代案を提出したり、アイデアを
練り上げる段階から献身的になることができる。
●「仕様をくれ」という人はレベル1か2の人なのです。「仕様をくれ」ではなく、「何がお望みですか?」と質問できるレベル3・4の人を育てていきましょう。
こう嘆くのは、他国の技術者を使ってソフト開発のビジネスを展開し、帰国子女でもあるI社長。Iさん自身、技術解説書を書いているくらいの人なので、人並み以上にそう感じているのでしょう。
●「サラリーマン根性丸出しの技術者は論外として、独立志向の強い人であっても“そこそこの状態”というレベルで停滞している人が多く、さらに上を目指そうというエネルギーが不足しています。これは大手企業の技術者でもベンチャーの技術者でも、さほど変わりません」とIさんは続けます。
●私はそれを聞きながら頭のなかでは、「これは技術だけの問題ではないぞ。営業でも経理でもマネジメントでも、みんな同じかもしれない」と思っていました。
●その道のプロとして専門性を高めることを怠ってはいけないのは、どの分野でも同じです。でも、「専門バカ」になることなく、コミュニケーションや企画立案などのビジネスセンスを同時に磨いていくこともまた、重要ではないでしょうか。技術者だから技術だけを深める、と考えていてはすぐに行き詰まります。
●聞いた話では、二流以下のソフトウエア開発技術者がよく言う共通のセリフがあるそうです。それは
「仕様をくれ」
だそうです。
●例えばサイト構築の案件で、プロジェクトの会議でも頭のなかは仕様のことしかなく、サイトを面白くするためのアイデアが出ない。これでは技術者ではなく職人というべきでしょう。プロジェクト会議で出てくる他のアイデアに対しても、「私が気になるのは仕様だけなんです」という雰囲気が言葉の端々にあらわれたりします。そんな技術者をみたら言ってやりましょう。
「君はしようがないな」と。
●技術はあくまでも手段であって、決して目的ではありません。顧客は技術を買っているのではなく、それを通して自分(自社)が得られる利益を買っているのです。使い古された言葉ですが、「ソリューション(問題解決)を求めている」と言い換えることもできるでしょう。
●技術がわかる営業マン、あるいは営業ができる技術者のことをセールスエンジニアと言いますが、あなたの会社には、どれだけのセールスエンジニアを抱えているでしょうか? そのような人材は、育成には時間がかかりますが、時間をかけてでも育成に値する価値があります。
●ここでひとつたとえ話をしましょう。あなたはハンバーガーショップに行き、ダブルチーズバーガーとコーラセットのLサイズを注文したとします。
●ところが店員が、「まことに申し上げにくいのですが、お客様の体型からみて、かなりの体脂肪が付いていらっしゃるご様子。将来のことを考えて、フィレオフィッシュにウーロン茶をお勧めいたしますが、いかがでしょうか?」と言われたらきっと不愉快な気持ちになるでしょう。ここに「ソリューション」のヒントがあるような気がします。
●ハンバーガーショップの店員に期待されているのは、顧客の注文通りに迅速かつ気持ちよく仕事をすることであり、そうした仕事ぶりにこそ価値があるのです。それ以上でもそれ以下でもありません。
●では、IT技術者はどうあるべきなのでしょうか? ハンバーガーショップの店員とは明らかに違い、顧客のリクエストを正確に理解するだけでなく、その真意や奥にある価値観、理念なども理解しようとする姿勢が大切なのです。時には、それらを見抜いたうえで顧客のリクエストとは異なる代案を提示し、意見を闘わせる場面も必要かもしれません。
●ちなみに以下は、ある会社と共同で作った技術社員のソリューション表です。その会社では、ある時期、この表を評価表に転用していました。
◆レベル1.「技術フェチ」
関心の対象は自分の技術や知識である。それが使えない状況が続くと、
ストレスがたまり、顧客や会社の悪口を言い始める。仕事で良い結果が
出なかったときにも、自分を省みず周囲を非難する。
◆レベル2.「忠実なしもべ」
言われたことを正確に実行するという意味で、ハンバーガーショップの
店員と同じ。技術の確かさを証明するのが喜びであって、顧客の要望する
結果が出たかどうかは興味がない。
それは顧客側の問題であって自分には関係がないと思っている。
◆レベル3.「コミュニケーター」
関心の対象は“顧客”の成功である。“顧客の期待”を明確に知るために
コミュニケーションをとる。顧客の要求を実現するためには、
どうすべきかを技術問題はいったん後回しにして考える。
◆レベル4.「伝道師」
顧客が成功するためであれば、いかなる対応もしてみせる覚悟がある。
顧客の要望を鵜呑みにするだけでなく、代案を提出したり、アイデアを
練り上げる段階から献身的になることができる。
●「仕様をくれ」という人はレベル1か2の人なのです。「仕様をくれ」ではなく、「何がお望みですか?」と質問できるレベル3・4の人を育てていきましょう。