ブログ個人トップ | 経営者会報 (社長ブログ)
社長業を極めるためのカリキュラムについて、「日本的経営のリニューアル」という視点から紹介します
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2012年05月25日(金)更新
実車に付け
2012年01月20日(金)更新
ある地方都市にて
●子供のころ、戦国の英雄ものがたり『真田十勇士』を読んで興奮したことを覚えています。真田幸村につかえる十人の勇士のものがたり。
猿飛佐助、服部半蔵(皇居、半蔵門の由来となった)、霧隠才蔵、三好晴海入道、祢津甚八など、個性派揃いのキャラクターはいずれもが子供たちのスーパースターでした。
●真田幸隆、昌幸、信之、そして幸村が実際に活躍したのは、信玄、謙信、信長、秀吉、家康などが覇権を争った戦国時代のことです。地方大名として誰に味方するか、誰に弓引くかは、そのままお家の存亡にかかわる意志決定でした。そうした中、誰が天下を取ろうが関係なく見事に泳ぎ切り、家名を守り抜いた真田一族の才覚は「したたか」そのものといえましょう。
●戦国の真田家と同じようなしたたかさで、現代の「食品スーパー戦国時代」を生き抜く地方会社があります。
幸い、その会社の社長とも親しくさせていただいていますが、許可を得ていないので実名は伏せてご紹介しましょう。この食品スーパーの本社は人口数万人の地方都市。こんな小さな街にも大手スーパーの乱入が始まって15年になります。しかし、この『F』(仮名)は、「したたか」に戦い勝ち目がないと見た相手は次々に徹退していくのです。
●「体力(資本)勝負に持ち込めば大手の全国チェーンに必ず負ける。であれば、知恵と知識と情報を武器にして、お客様にどちらが近いかという接近戦に持ちこもう」と考え、様々な施策を打ち出してきました。
・戦略会計の導入
・MG(マネジメントゲームの社内開催)
・計数知識に関する全社員対象の社内テスト(定期開催)
・FSPの導入
※FSPとは ↓
http://www.jmrlsi.co.jp/menu/yougo/my08/my0811.html
・MY法による計画経営の導入
※MY法とは → http://www.myhou.co.jp/
●矢継ぎ早の経営改革。
経営陣も社員も猛烈に働き、猛烈に勉強したそうです。昌幸と幸村の真田一族のように、スーパー『F』でも社長を支えようと二人の息子が経営に馳せ参じ、中心的役割を果たしました。
●経営改革の途上、こんなエピソードがあったそうです。
ある中堅社員は仕事ぶりはまじめなのですが、計数にあまりに弱い。毎回の数字テストの点数がとても低いのです。彼を育てようと、社長自身が深夜にまで及ぶ個人補講を行ったのですが、その甲斐なく、泣く泣く彼を更迭人事しました。そのショックから彼は退職してしまったというのです。社長もその幹部も互いに大いに悲しんだことでしょう。
「こんな方針で良いのだろうか」と社長は自らの信念が揺らいだこともあるそうです。しかし、そこに活路を求めた限りは、決めたことは断固やり抜きました。
●社員全員が個人商店のオーナー並に経営とビジネスに精通し、数字と情報をマネジメントできるようになりました。間もなく50回目の決算をむかえる『F』は、創業二年目から一度も赤字を出していないそうです。
●そうした自信がなせるワザでしょうか、10年近く前には社運を賭ける意志決定をしました。
それは、新しい店舗をオープンするのに約5億円かかるなか、それを見送って、ほぼ同金額をコンピュータ投資にふりむけたのです。
そしてどこにもマネできないFSPシステムを構築し、チラシ投入をゼロにし、それ以上の成果をあげる作戦を始めたのです。
●FSPの目玉は独自のポイントカードです。徹底した地域密着と顧客指向のプログラムによって、社員はお客様の顔と名前を覚える必要が生じました。それをやり抜いた結果、びっくりするほどの結果が出始めたのです。
ところで、あなたは、一人の売り場担当者がクリスマスケーキを年末に何個売るか想像がつくでしょうか?
彼女の一声で予約申込書にサインした人の数は、なんと「400人!」
クリスマスケーキは必ずどこかで買うもの。だったら、あの人から買おうということになるのです。
●「鈴木さん、本タラバ(蟹)の良いのが今入りましたが今日のご夕食にいかがですか」などと電話を入れるのです。当然、その場で予約が入って売れていきます。
この商品だったらあの人に・・・、そんな連想ができる八百屋感覚のスーパーなのです。コンピュータによって、ベテラン八百屋店主の才覚を全社員が持てるようにしたのですから大型スーパーだって叶いません。
●「かつてほど利益が出にくくなった」とはいうものの、本当の企業力によって生み出している今の利益は明日につながります。
がんばれ地方企業! がんばれ小企業!
2011年09月09日(金)更新
相づちを我慢せよ
2010年03月12日(金)更新
目標と見通し
ある時、二人の社長が議論していました。
・A社長の意見
一度決めた目標はやすやすと修正すべきではない。そうしないと社員も成長しないし、モティベーションも維持できない。だから、かなり目標との誤差が出るとわかっても、最低半年間は目標修正しない。できれば一年間は目標を変えずに行くべきだ。
・B社長の意見
目標は現実性を帯びていないと意味がない。修正すべきだと思ったら、いつでも臨機応変に修正すべきである。目標値は資金繰り予定にも直結してくるのでなおさら実態に即していなければならない。
という二つの意見があります。あなたはどちらのタイプでしょうか。
●例をあげて考えてみましょう。
ある会社は、年間売上高目標を12億円と掲げ、毎月1億円ずつ売上げると決めました。
昨日でちょうど2ヶ月経過し、実績をチェックしたところ、
1月実績0.7億円、2月実績0.5億円という厳しい状況が続いていました。
こんなとき、A社長の会社ではやはり月間1億円という月間目標を変えずに3月もそれに挑戦するでしょう。一方、B社長のもとでは、すかさず0.6億円程度に減額修正し、必達を誓うのです。
さて、どっちの経営が正しいのかが問題です。
●私の考えでは、どちらも正しいし、どちらも間違っていると思います。
正しいやり方は、A・B両方のやり方を取り入れることではないでしょうか。つまり、「挑戦目標」と「見通し目標」とを使いわけるのです。
いや、正確に表現するなら、「目標」と「見通し」を使い分けるということです。
●「目標」として掲げた毎月1億円、年間12億円という数字は、少なくとも四半期または半期は変更すべきではありません。目標にこだわることに対する社員への教育と“しつけ”だからです。
●一方、「見通し」として掲げた数字は、あくまで現実に即したものです。今の延長でいけば将来はどうなるのかという予測でもあります。この数字をもとに社長は、通期の業績見通しや資金繰り計画を組むのです。
正しい経営実態を見誤らないためにも、毎週とか毎日など、細かいピッチで「見通し」は修正していくべきでしょう。
●この二つの使い分けが出来るようになっていくことが計画経営力を高める要素だと思います。もちろん、社員には一貫して「目標」に意識を集中してもらいましょう。
ただし、社長はいつも現実的な「見通し」も持っていて、早め早めに悪い状況にも即応していくということが、景気低迷期に会社を守る大切な術だと思います。
2010年01月15日(金)更新
表敬訪問の重要性
武沢:「経営の調子はどうですか?」
S :「不況の影響を受けていますが、先代が非常に堅実な経営をやっていたおかげで財務体質には問題ありません。無借金で経営できているということは、今の時代、ものすごい武器になっていると思います」
武沢:「それは素晴らしいですね。では、社長に就任してからいちばん苦労されたことは何ですか?」
という問いに対し、返ってきた答えは「先代社長と比べられること」。また、S社長の会社だけでなく、主力取引先の多くで世代交代が進んだため、先代同士ほどの濃い人間関係がつくれていないことも心配の種ということでした。
●跡を継いだ社長が、先代の人間力やカリスマ性を真似しようとしても無理な話であり、純粋に商品の善し悪しや価格の競争力、サービスの充実具合などが問われることになります。そのため、世代交代というものは、長年続いた取引先を失う危険性をはらんでいるのです。
●幸い、「先代のように人間力で売ることなどできない」と早くから気づいていたS社長は、純粋に商品やサービスで勝負しようと決意していたといいます。
●さて、あなたの会社は、社長個人の人間力で売れているのか、それとも純粋に商品・サービスの魅力で売れているのか、どうやって判断しているのでしょうか。「その両方で売れている」と考えているかもしれません。しかし、世代交代をする際には、社長個人が持つ人間力を差し引いて評価をし直す必要があるかもしれません。
●ただし、人間力に頼らないとはいえ、定期的に行ないたいのが社長の客先訪問です。「表敬訪問」というと何か儀礼的な訪問に思われますが、実は社長の表敬訪問ほど効果のあるトップ営業はありません。「社長の表敬訪問は、セールスマンの100回の訪問に勝る」(経営コンサルタント・一倉定氏)と言われますが、まさしくその通り。郵便物のポスティング1000枚にも勝ると思います。
●表敬訪問をするときに前もってアポイントを入れておくと、先方も社長や役員が応対してくれることでしょう。そのとき、地元の名産品や地酒に加え、自社の経営計画も持参すれば最高です。
●そして、訪問した際に自社の情報を積極的に開示すると、先方も今後の見通しなどの情報を聞かせてくれるはずです。そうした会話の中から、それまで気づいていなかったニーズや隠れた不満などがわかることもあるでしょう。
●さらにもう1つ、トップの表敬訪問には重要な役割があります。それは、同業他社の動向をつかむこと。他社がどれくらいの頻度で訪問し、どのように攻勢をかけているのか。あるいは、同業他社の社長も表敬訪問をしているのかどうか、それとなく聞き出すのです。それによって、自社の優位性がどの程度なのかを知ることができます。
●とくに、重要な顧客に対してはトップ同士の情報戦がカギとなります。製品やサービスの質や価格で勝負するのは素晴らしい心意気ですが、表敬訪問も決しておろそかにすべきではありません。
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