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社長業を極めるためのカリキュラムについて、「日本的経営のリニューアル」という視点から紹介します
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2009年03月06日(金)更新
赤と青の情熱
●「革命を成就させるには三つのタイプの人材が揃う必要がある」と司馬遼太郎が言っています。彼のいう三つのタイプの人材とは
・思想家
・戦略家
・実務家や技術者
だそうです。
●たしかに司馬の指摘には一理あると思います。たとえば、明治維新をみても、吉田松陰を始めさまざまな「思想家」たちが徳川幕府の脆弱性や矛盾を指摘し、若者を鼓舞しました。
“徳川体制はおかしいんだ、天皇を担いで幕府を倒そう”
という機運を作ったのはそうした「思想家」たちです。
●次に「戦略家」が現れました。
高杉晋作や坂本龍馬、西郷隆盛など行動力に富んだ若者が思想を実現するための具体策を考案し、戦略的に動きました。その結果、山が動くのです。
●最後に、革命の総仕上げをしたのが「実務家」や「技術者」たちです。例えば、大久保利通や大村益次郎、伊藤博文、井上馨などいわゆる明治の元勲とよばれる人たちがそれです。
●企業にもこの三つのタイプの人材が揃っているのが理想でしょう。しかし、中小零細規模の場合には、そんなに揃っていることがまれなので、社長が一人で三役こなす必要があるのかもしれません。
●先日、メルマガ読者から達筆なお手紙を頂戴しました。その最後にこんな一文がありました。
「武沢さんのメルマガを拝読していると、武沢さんという人が大変熱くて赤々とした、まるで溶岩のように思える」と書かれていました。
私が書いた文章からそのような印象を感じ取られたそうですが、実は私はまったくその正反対のタイプだと思います。
●どちらかというと控えめなタイプで、自分の考えを話すよりだまって聞いている方が好きです。人前で話すことは苦手だと言った方がよいでしょう。
経営者会報ブログのオフ会にも二度参加していますが、そのたびに「話すことだけはご勘弁を」と幹事さんに念を押して参加しているほどです。
したがって私は、“赤々”としているのではなく、むしろ“青々”としていると言ったほうが近いでしょう。
●私は情熱には赤色と青色があると思っています。
人の心に火を付け、いるだけで周囲が熱くなる赤色タイプが先に申し上げた「思想家」や「戦略家」の特徴でしょう。革命の総仕上げをするのに必要な「実務家」や「技術者」は青色タイプが多いように思いますが、その分け方が適切かどうかはわかりません。
●要するに、情熱には「赤」と「青」があるということをお伝えするのが今日のコラムの主旨です。熱さが言葉や態度に出る人と出ない人がいるということと、その両方が組織の中に必要だということです。
赤と青の情熱、ともに大切にしていきましょう。
・思想家
・戦略家
・実務家や技術者
だそうです。
●たしかに司馬の指摘には一理あると思います。たとえば、明治維新をみても、吉田松陰を始めさまざまな「思想家」たちが徳川幕府の脆弱性や矛盾を指摘し、若者を鼓舞しました。
“徳川体制はおかしいんだ、天皇を担いで幕府を倒そう”
という機運を作ったのはそうした「思想家」たちです。
●次に「戦略家」が現れました。
高杉晋作や坂本龍馬、西郷隆盛など行動力に富んだ若者が思想を実現するための具体策を考案し、戦略的に動きました。その結果、山が動くのです。
●最後に、革命の総仕上げをしたのが「実務家」や「技術者」たちです。例えば、大久保利通や大村益次郎、伊藤博文、井上馨などいわゆる明治の元勲とよばれる人たちがそれです。
●企業にもこの三つのタイプの人材が揃っているのが理想でしょう。しかし、中小零細規模の場合には、そんなに揃っていることがまれなので、社長が一人で三役こなす必要があるのかもしれません。
●先日、メルマガ読者から達筆なお手紙を頂戴しました。その最後にこんな一文がありました。
「武沢さんのメルマガを拝読していると、武沢さんという人が大変熱くて赤々とした、まるで溶岩のように思える」と書かれていました。
私が書いた文章からそのような印象を感じ取られたそうですが、実は私はまったくその正反対のタイプだと思います。
●どちらかというと控えめなタイプで、自分の考えを話すよりだまって聞いている方が好きです。人前で話すことは苦手だと言った方がよいでしょう。
経営者会報ブログのオフ会にも二度参加していますが、そのたびに「話すことだけはご勘弁を」と幹事さんに念を押して参加しているほどです。
したがって私は、“赤々”としているのではなく、むしろ“青々”としていると言ったほうが近いでしょう。
●私は情熱には赤色と青色があると思っています。
人の心に火を付け、いるだけで周囲が熱くなる赤色タイプが先に申し上げた「思想家」や「戦略家」の特徴でしょう。革命の総仕上げをするのに必要な「実務家」や「技術者」は青色タイプが多いように思いますが、その分け方が適切かどうかはわかりません。
●要するに、情熱には「赤」と「青」があるということをお伝えするのが今日のコラムの主旨です。熱さが言葉や態度に出る人と出ない人がいるということと、その両方が組織の中に必要だということです。
赤と青の情熱、ともに大切にしていきましょう。
2008年12月19日(金)更新
「偉大ゾーン」が社長の顔をつくる
●「人間40歳にもなれば自分の顔に責任がある」とはリンカーンの言ですが、どういう状況でそのセリフが出てきたのかを知っている人は、はたしてどのくらいいるでしょうか。
●リンカーンは閣僚人事の最終判断を、顔で決めていたと言います。もちろん経歴や評判はチェックしたのでしょうが、最終判断は顔だったようです。
●ある推薦者がある人物を閣僚に推薦したとき、「あの男は顔が気に入らない」とリンカーンは却下しました。推薦者は、「顔は当人の責任ではない。顔で人選するのはアンフェアだ」と指摘したそのとき、リンカーンは先の発言をしたのです。
●私は40歳過ぎて責任をもつのは「顔」だけではないと思います。自分の身の回りに起きていることのすべてに責任を負うのがこの年代です。まして、あなたが経営者ならば言い訳は一切できません。しかし、
「あなたは宮仕えの身ですか?」と突っ込みたくなるほど言い訳がましい社長がいるのも、また事実です。
・私は忙しすぎて○○する時間がとれない
・こういう事情だから、私の会社は自分の思うようにならない
・私は若すぎる(あるいは年をとりすぎた)
・私は数字(営業、経理など)に弱い
・私はかつて○○にだまされた
・あのとき、私はこうすべきだった
まるで、自分はなにかの“被害者”か“悲運の人”のように思っているのではないでしょうか。このような社長は、たいていが「いい顔」をしていません。
●あるとき、愛知県の社長の集まりで講演した際、私は「偉大ゾーンで勝負して下さい」と言いました。偉大ゾーンとは、「情熱がわく仕事」「得意な仕事」「利益が得られる仕事」の3つの条件がすべて合致する仕事のことです。
●その会場のなかにすごい社長が混じっていました。仮にA社長としておきますが、彼の会社は、50年間傘の製造一筋でやってきているのですが、一度だけ赤字を出したことがあるものの、それ以外は毎年
4,000万円以上の経常利益を出してきたというのです。
●「50年間傘一筋というのはすごいですね」と申し上げると、A社長は次のようにいいました。
「今までに、銀行さんをはじめとしていろんな事業提案が持ちかけられてきましたが、やろうと思ったことがありません。傘の製造業は私にとってもわが社にとっても『偉大ゾーン』だし、さらにそれを進化(深化)させるためにやるべきことが山ほどある。昨年は中国へ工場を進出させることでコストダウンをはかったし、今は、化学技術を強化して従来とはまったく違う傘を作る研究をしているのです」
今年還暦になられたA社長ですが、その話をしている彼の目は子どものように輝いていました。
●Aさんのように、今やっている仕事がズバリ「偉大ゾーン」に当てはまっている場合は幸福です。しかし、そうでない場合はどうしたらいいでしょうか。それには、2つの方法があると思います。
・より偉大ゾーンに近い仕事に参入する
・今やっている仕事を偉大ゾーンに近づくように変えていく
いずれにしても、偉大ゾーンで仕事をしている社長は必ず「いい顔」をしているものなのです。
●リンカーンは閣僚人事の最終判断を、顔で決めていたと言います。もちろん経歴や評判はチェックしたのでしょうが、最終判断は顔だったようです。
●ある推薦者がある人物を閣僚に推薦したとき、「あの男は顔が気に入らない」とリンカーンは却下しました。推薦者は、「顔は当人の責任ではない。顔で人選するのはアンフェアだ」と指摘したそのとき、リンカーンは先の発言をしたのです。
●私は40歳過ぎて責任をもつのは「顔」だけではないと思います。自分の身の回りに起きていることのすべてに責任を負うのがこの年代です。まして、あなたが経営者ならば言い訳は一切できません。しかし、
「あなたは宮仕えの身ですか?」と突っ込みたくなるほど言い訳がましい社長がいるのも、また事実です。
・私は忙しすぎて○○する時間がとれない
・こういう事情だから、私の会社は自分の思うようにならない
・私は若すぎる(あるいは年をとりすぎた)
・私は数字(営業、経理など)に弱い
・私はかつて○○にだまされた
・あのとき、私はこうすべきだった
まるで、自分はなにかの“被害者”か“悲運の人”のように思っているのではないでしょうか。このような社長は、たいていが「いい顔」をしていません。
●あるとき、愛知県の社長の集まりで講演した際、私は「偉大ゾーンで勝負して下さい」と言いました。偉大ゾーンとは、「情熱がわく仕事」「得意な仕事」「利益が得られる仕事」の3つの条件がすべて合致する仕事のことです。
●その会場のなかにすごい社長が混じっていました。仮にA社長としておきますが、彼の会社は、50年間傘の製造一筋でやってきているのですが、一度だけ赤字を出したことがあるものの、それ以外は毎年
4,000万円以上の経常利益を出してきたというのです。
●「50年間傘一筋というのはすごいですね」と申し上げると、A社長は次のようにいいました。
「今までに、銀行さんをはじめとしていろんな事業提案が持ちかけられてきましたが、やろうと思ったことがありません。傘の製造業は私にとってもわが社にとっても『偉大ゾーン』だし、さらにそれを進化(深化)させるためにやるべきことが山ほどある。昨年は中国へ工場を進出させることでコストダウンをはかったし、今は、化学技術を強化して従来とはまったく違う傘を作る研究をしているのです」
今年還暦になられたA社長ですが、その話をしている彼の目は子どものように輝いていました。
●Aさんのように、今やっている仕事がズバリ「偉大ゾーン」に当てはまっている場合は幸福です。しかし、そうでない場合はどうしたらいいでしょうか。それには、2つの方法があると思います。
・より偉大ゾーンに近い仕事に参入する
・今やっている仕事を偉大ゾーンに近づくように変えていく
いずれにしても、偉大ゾーンで仕事をしている社長は必ず「いい顔」をしているものなのです。
2008年12月05日(金)更新
理念不在がどうした!
●今日は、いつもとは逆に、「理念・理念・理念」と経営理念を作ることに盲進しすぎると、優先順位を誤るおそれがあるということについて説明しましょう。
●最近でこそ、中小企業の経営者で本を読む人が多くなりましたが、昔は本を読まないどころか人の話すらまともに聞かない頑固な経営者も、少なからずいました。本やセミナーで勉強したこともなく、自分の経験と勘と度胸(頭文字をとってKKD)しか信用しない社長がたくさんいたのです。
●私が新米コンサルタントだったころ、そのようなKKD社長に「社員のためにも経営理念を作りましょう」と提案したこともありますが、「そんなもんでメシが喰えるか」と一喝されてオシマイのケースがほとんどでした。自分の経験からくる揺るぎない信念と哲学をもとに「経営理念なんていらない」と言われたら、何も言い返せなかったのです。
●ところが最近は、ほとんどの経営者が経営理念の必要性に異議を唱えません。それどころか、何の疑いもなく「理念が必要だ」と言います。
●しかし、経営理念というものは、すべての会社が今すぐ必要とするものでもありません。理念がなくても経営はできますし、そんなややこしい事にうつつを抜かしているヒマがあれば、今すぐ外へ飛び出して顧客の話を聞いてきた方が参考になる、という時期もあるのです。
●特に、従業員が30人未満のベンチャーのような会社では、社長の言動自体が経営理念そのものです。社長がいつも社員に向かって思いの丈を熱く語れば、それが経営理念の役割を果たすので、それで充分ではないでしょうか。
●そのような段階で経営理念の作成よりも先決すべき課題は、業績の安定です。大口の得意先や企業系列に依存しないで顧客を引っぱれるようになること。また、業績管理を徹底して目標と数字データに基づく計画経営を行うことが大事です。
●業績が安定し、社長も社員も安心してご飯が食べられるようになったら、次のステップではじめて経営理念や経営ビジョンを制定する必要が出てくるのです。
●私が影響を受けた本である『ビジョナリー・カンパニー』の中にも、こんな一節が出てきます。
---
ビジョナリー・カンパニーのすべてが、設立当初から基本理念をしっかりした文書にしていたわけではない。そうした企業はごく一部である。
理念を文書にしたのは多くの場合、設立から10年前後たったころだが、おおむね大企業に成長する前である。ビジョナリーカンパニーのほとんどが、設立当初は会社を軌道に乗せ、成功させるために必死だった。
はっきりした理念を掲げるようになったのは、会社が発展したからだ。
だから、基本理念を文書にしていなくても問題ない。しかし、早ければ早いほどよい。この本を読む時間があるのだから、読書をしばらく中断して、いますぐ基本理念を書き上げるべきだ。
(『ビジョナリー・カンパニー』ジェームズ・C・コリンズ/ジェリー・I・ポラス著
日経BP社刊 129ページより抜粋)
---
●わかりやすくするために、会社のレベルを次の4つに分類して考えましょう。
・第一レベル 「悪い」
・第二レベル 「普通」
・第三レベル 「良い」
・第四レベル 「偉大」
「悪い」から「普通」へ、「普通」から「良い」の段階に移行するには、経営理念よりも、顧客創造の力が問われます。いかにして利益を出し、キャッシュフローを良くするかという格闘です。この段階では、経営理念はさほど大きな意味を持ちません。
●しかし、それ以上の段階である「偉大」の高みに登ろうとしたときにはじめて、人材力・組織力・管理力などが醸し出す企業文化や、企業のブランドイメージが問われるようになります。その段階でこそ、経営理念とその浸透力が、極めて大切な要素になってくるのです。
●最近でこそ、中小企業の経営者で本を読む人が多くなりましたが、昔は本を読まないどころか人の話すらまともに聞かない頑固な経営者も、少なからずいました。本やセミナーで勉強したこともなく、自分の経験と勘と度胸(頭文字をとってKKD)しか信用しない社長がたくさんいたのです。
●私が新米コンサルタントだったころ、そのようなKKD社長に「社員のためにも経営理念を作りましょう」と提案したこともありますが、「そんなもんでメシが喰えるか」と一喝されてオシマイのケースがほとんどでした。自分の経験からくる揺るぎない信念と哲学をもとに「経営理念なんていらない」と言われたら、何も言い返せなかったのです。
●ところが最近は、ほとんどの経営者が経営理念の必要性に異議を唱えません。それどころか、何の疑いもなく「理念が必要だ」と言います。
●しかし、経営理念というものは、すべての会社が今すぐ必要とするものでもありません。理念がなくても経営はできますし、そんなややこしい事にうつつを抜かしているヒマがあれば、今すぐ外へ飛び出して顧客の話を聞いてきた方が参考になる、という時期もあるのです。
●特に、従業員が30人未満のベンチャーのような会社では、社長の言動自体が経営理念そのものです。社長がいつも社員に向かって思いの丈を熱く語れば、それが経営理念の役割を果たすので、それで充分ではないでしょうか。
●そのような段階で経営理念の作成よりも先決すべき課題は、業績の安定です。大口の得意先や企業系列に依存しないで顧客を引っぱれるようになること。また、業績管理を徹底して目標と数字データに基づく計画経営を行うことが大事です。
●業績が安定し、社長も社員も安心してご飯が食べられるようになったら、次のステップではじめて経営理念や経営ビジョンを制定する必要が出てくるのです。
●私が影響を受けた本である『ビジョナリー・カンパニー』の中にも、こんな一節が出てきます。
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ビジョナリー・カンパニーのすべてが、設立当初から基本理念をしっかりした文書にしていたわけではない。そうした企業はごく一部である。
理念を文書にしたのは多くの場合、設立から10年前後たったころだが、おおむね大企業に成長する前である。ビジョナリーカンパニーのほとんどが、設立当初は会社を軌道に乗せ、成功させるために必死だった。
はっきりした理念を掲げるようになったのは、会社が発展したからだ。
だから、基本理念を文書にしていなくても問題ない。しかし、早ければ早いほどよい。この本を読む時間があるのだから、読書をしばらく中断して、いますぐ基本理念を書き上げるべきだ。
(『ビジョナリー・カンパニー』ジェームズ・C・コリンズ/ジェリー・I・ポラス著
日経BP社刊 129ページより抜粋)
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●わかりやすくするために、会社のレベルを次の4つに分類して考えましょう。
・第一レベル 「悪い」
・第二レベル 「普通」
・第三レベル 「良い」
・第四レベル 「偉大」
「悪い」から「普通」へ、「普通」から「良い」の段階に移行するには、経営理念よりも、顧客創造の力が問われます。いかにして利益を出し、キャッシュフローを良くするかという格闘です。この段階では、経営理念はさほど大きな意味を持ちません。
●しかし、それ以上の段階である「偉大」の高みに登ろうとしたときにはじめて、人材力・組織力・管理力などが醸し出す企業文化や、企業のブランドイメージが問われるようになります。その段階でこそ、経営理念とその浸透力が、極めて大切な要素になってくるのです。
2008年11月25日(火)更新
どれになさいますか?
●たとえば、あなたが「ロシアビジネス研究会」に参加し、「よし、我が社もロシア進出を前向きに考えよう」と思ったとしましょう。そこで問題になるのは次のアクションです。
●多くの経営者はそこで立ち止まってしまい、何もしません。次に来るであろう、何かの機会を待ってしまうのです。しかし、次に何かがくることはありません。新しい行動の扉は、こちら側にしか取っ手がないのです。
●思えば私たちは、子供のころからすでに用意されているお膳立ての中から選択するという生き方をしてきました。
・レストランで出されたメニューの中から食事を注文する
・パックツアーのカタログを見てどの旅行にするか決める
・「MBAホルダーが読んでいるビジネス書100」などの本から次に読む本を選ぶ
・学校の先生が紹介してくれた学校や企業から次の進路を選ぶ
・幹部社員やコンサルタントが提案した中から次の戦略を選ぶ ……etc.
●これでは何かに依存しすぎではないでしょうか。メニューの中から選ぶのは確かに楽です。しかし、会社を経営するにあたり、メニュー表が差し出されることはまずありません。
●数年前、私が主催する中国視察旅行に参加した、名古屋のある屋根瓦販売会社があります。そこのM専務は、現地に「チャンスがある」と思い、翌月は単身で上海、北京、広州などの主要都市を回りました。
●さらに、その半年後には中国人アルバイトを採用し、現地の住宅会社にメールと電話で営業をかけ、また半年が経過したころには中国との取引をはじめました。当時はまだ若かったM専務(現在は社長)の、メニュー表をアテにしない行動力には感服しました。
●将来に備えて視察や研究をするのは大変結構ですが、帰ってきて何も行動しなかったら視察や研究はムダになりかねません。帰ってきて、もう少し主体的に行動してみることで、初めて視察や研究の成果が活かされるのです。
●誰にでも当てはまる成功公式は本やセミナーで学べますが、あなたの会社にしか当てはまらない正解は、あなたが行動してみないと見つけられません。
●当然、それはメニュー表として差し出されるものではない、いうことを覚悟しておきましょう。
●多くの経営者はそこで立ち止まってしまい、何もしません。次に来るであろう、何かの機会を待ってしまうのです。しかし、次に何かがくることはありません。新しい行動の扉は、こちら側にしか取っ手がないのです。
●思えば私たちは、子供のころからすでに用意されているお膳立ての中から選択するという生き方をしてきました。
・レストランで出されたメニューの中から食事を注文する
・パックツアーのカタログを見てどの旅行にするか決める
・「MBAホルダーが読んでいるビジネス書100」などの本から次に読む本を選ぶ
・学校の先生が紹介してくれた学校や企業から次の進路を選ぶ
・幹部社員やコンサルタントが提案した中から次の戦略を選ぶ ……etc.
●これでは何かに依存しすぎではないでしょうか。メニューの中から選ぶのは確かに楽です。しかし、会社を経営するにあたり、メニュー表が差し出されることはまずありません。
●数年前、私が主催する中国視察旅行に参加した、名古屋のある屋根瓦販売会社があります。そこのM専務は、現地に「チャンスがある」と思い、翌月は単身で上海、北京、広州などの主要都市を回りました。
●さらに、その半年後には中国人アルバイトを採用し、現地の住宅会社にメールと電話で営業をかけ、また半年が経過したころには中国との取引をはじめました。当時はまだ若かったM専務(現在は社長)の、メニュー表をアテにしない行動力には感服しました。
●将来に備えて視察や研究をするのは大変結構ですが、帰ってきて何も行動しなかったら視察や研究はムダになりかねません。帰ってきて、もう少し主体的に行動してみることで、初めて視察や研究の成果が活かされるのです。
●誰にでも当てはまる成功公式は本やセミナーで学べますが、あなたの会社にしか当てはまらない正解は、あなたが行動してみないと見つけられません。
●当然、それはメニュー表として差し出されるものではない、いうことを覚悟しておきましょう。
2008年11月10日(月)更新
アンチ・カリスマ
●「酔った勢いで言わせてもらえば、あなたはたぐい稀なる凡人だ。平凡な凡人だったらこうして夕食をご一緒したいとは思わない。並はずれた凡人だから武沢さんは面白いんだよ。あなたのメルマガにあった『凡人が勝つ』の記事、たいへん面白かったよ」
「え、私が凡人ですか。日ごろは非凡でありたいと思っているのですが、こうして面とむかってハッキリ言われると、何だかイヤミには思えませんね」
●上記は、先日ある人と夕食をともにしたときに言われた内容です。昔は私も「カリスマコンサルタント」を目指していましたが、今ではそんな気持ちはありません。そもそもカリスマ俳優、カリスマ美容師などといった、「カリスマ」という言葉がもてはやされたのは20世紀の話です。
●思えば、映画でも石原裕次郎や高倉健などの二枚目俳優は、どれだけカリスマ性を打ち出せるかでしのぎを削っていた感があります。そういう意味でカリスマとは、格好良さと勝ち組の代名詞でもあり、有名な俳優やスポーツ選手などは決してバラエティ番組には登場しませんでした。
●しかし21世紀になった今、カリスマとは別のものが求められる時代です。その新しい基準になるのが、「等身大であること」ではないでしょうか。あるいは、「すごい人」「格好良い人」ではなく、「愛される人」「普通の人」と言ってもいいでしょう。お笑い芸人がバラエティ番組からニュース番組、スポーツニュースなど、いろんなところに進出しているのも、等身大で振舞うところがウケているのでしょう。
●「等身大」とは、以下に示すように「カリスマ」へのアンチテーゼでもあります。
・失敗や挫折が当たり前
・カッコ悪いことや、世間の評判を気にしない
・判断基準は、損得や格好ではなく、面白いか面白くないか
・飽きっぽい大衆にあわせていつも新しいことに挑戦し、
その結果、常に進歩・進化しつづける
・人間は人間の値打ちを計るとき、どれだけ優秀かと同時に、
どれだけバカ(凡人)になれるかを同時に観ている。 etc.
●自分らしく等身大に、それが今の時代のテーマです。当然、経営に求められるものも変わってきています。
●巨大企業や有名企業を目指すより、自分らしい企業づくりをしていきましょう。あなたらしい等身大の経営を作り上げるのです。
「え、私が凡人ですか。日ごろは非凡でありたいと思っているのですが、こうして面とむかってハッキリ言われると、何だかイヤミには思えませんね」
●上記は、先日ある人と夕食をともにしたときに言われた内容です。昔は私も「カリスマコンサルタント」を目指していましたが、今ではそんな気持ちはありません。そもそもカリスマ俳優、カリスマ美容師などといった、「カリスマ」という言葉がもてはやされたのは20世紀の話です。
●思えば、映画でも石原裕次郎や高倉健などの二枚目俳優は、どれだけカリスマ性を打ち出せるかでしのぎを削っていた感があります。そういう意味でカリスマとは、格好良さと勝ち組の代名詞でもあり、有名な俳優やスポーツ選手などは決してバラエティ番組には登場しませんでした。
●しかし21世紀になった今、カリスマとは別のものが求められる時代です。その新しい基準になるのが、「等身大であること」ではないでしょうか。あるいは、「すごい人」「格好良い人」ではなく、「愛される人」「普通の人」と言ってもいいでしょう。お笑い芸人がバラエティ番組からニュース番組、スポーツニュースなど、いろんなところに進出しているのも、等身大で振舞うところがウケているのでしょう。
●「等身大」とは、以下に示すように「カリスマ」へのアンチテーゼでもあります。
・失敗や挫折が当たり前
・カッコ悪いことや、世間の評判を気にしない
・判断基準は、損得や格好ではなく、面白いか面白くないか
・飽きっぽい大衆にあわせていつも新しいことに挑戦し、
その結果、常に進歩・進化しつづける
・人間は人間の値打ちを計るとき、どれだけ優秀かと同時に、
どれだけバカ(凡人)になれるかを同時に観ている。 etc.
●自分らしく等身大に、それが今の時代のテーマです。当然、経営に求められるものも変わってきています。
●巨大企業や有名企業を目指すより、自分らしい企業づくりをしていきましょう。あなたらしい等身大の経営を作り上げるのです。
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