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2013年07月05日(金)更新

経営者の脳

●「三人の看護師に体毛を剃られた」と、こぼしながら知人が盲腸手術を終えて退院してきた。彼の入院は、わずか一週間。それでも廊下を歩く時には手すりを頼りにしないと心細いくらいに、下半身の筋力の衰えを感じたそうだ。わずかな期間といえども、筋肉を使わないで放置すれば、そこが一気に弱くなることを自覚したという。私たちの身体の細胞はすべて、栄養と運動によって培われている証拠だ。
 
●頭脳だって同じ細胞のかたまりだ。使ってやらないと衰える。特に、今までたくさん頭を使ってきた人がそれをやめたりすると急速に衰えが目立つようになる。
 
●最近の脳科学の最新常識によれば、年をとることと脳が衰えることとは関係がないという。それどころか、脳細胞は年令に関係なく生まれることも判明している。昔は、「毎日大量の脳細胞が死滅し増えることはない」と教えられたが、いつのまにかその常識は古いものになっていたのだ。
 
●脳の老化を防ぎ、若返らせるためのポイントがいくつかあるそうだ。
一つは前頭葉を鍛えること。脳トレなどのゲームが良いらしいが、私は脳トレゲームより読書が良いと思う。読みやすい本ばかりを読むのでなく、たくさんの人物が登場する歴史小説を読むことや、新しい語学に挑むこと、新しい趣味をもつことなども前頭葉を鍛えることにつながるはずだ。
 
●二つめは、栄養補給。和食中心の規則正しい生活が望ましいが、仮に不規則であったとしても和食を心がけ、肥満や過食を防ぐだけでも脳の栄養補給という面では効果が高い。
 
●三つめは、適度な運動。ダイエット目的の運動というよりは、身体の細胞を使うことによって脳との関係を円滑に保てる効果があるという。従って、運動は脳のためでもあるのだ。
 
●経営者の脳は若くなくてはならない。肉体年令は高齢であったとしても脳の年令は新入社員よりも若くなくてはならない。そしてそれは可能なのだ。
 
脳に良いことしてますか?
 
 

2011年09月02日(金)更新

“脳”を良くする習慣

●少しずつ脳のメカニズムが明らかにされつつあります。それにつれて、私たちも脳(つまり自分自身)と上手に付き合っていく術がわかってきました。
 
「頭が良いという状態ではなく、脳が良いという状態をめざしたい。脳が良いと、知的能力だけでなく、運動能力や健康維持能力も高まるからだ。そのためのちょっとした習慣や考え方を利用すれば、誰だって何才からだって簡単に脳の良い人になれる」と説くのは、『バカはなおせる』の著者、久保田競教授です。
 
●著者によれば、脳にとって良い習慣と悪い習慣というものがあるそうです。脳幹のなかには腹側被蓋野(ふくそくひがいや)という大変重要な領域があり、ここが働くと「脳内麻薬」とも「やる気の源」とも言われる「ドーパミン」が分泌される。つまり腹側被蓋野が活発に働くようになるそうです。それが脳に良い習慣であり、その逆が悪い習慣となるというのです。
 
●昔からドーパミンは "やる気ホルモン" として注目されてきましたが、その好影響はそれだけでは済まないこともわかってきました。ドーパミンは、運動時のスピード、力、手足の器用さや俊敏さ、考える力や集中力、決断力、記憶力にまで良い影響を及ぼすことがわかってきたというのです。
 
●問題は、どのようにすればその腹側被蓋野がよく働くようになるかです。その答えが実にシンプルでうれしいものだ。
 
「快感を起こす刺激は全部脳に良い」というのです。
 
●サルを使った実験では、おいしいものを食べることが最高に脳に良いという結果がでたそうです。サルにとっての最高の報酬は食べ物ですが、人間にとって最高の報酬はお金ではないかと著者は指摘しています。
 
●また、スポーツの後、シャワーで汗をながしているときの爽快感はたまりませんが、実は、"何か行動をする"だけでも腹側被蓋野は働きだすともいいます。運動すること自体が脳にとても良いというのも新発見ですね。
 
●最新の脳科学原則による結論その1は、
「お金を得ておいしいものを食べて気持ちよいと感じることをやりまくる」ということが、脳が発達し、知力も運動能力も高まるという結論です。
 
●ではその逆の生活をおくるとどうなるか。
たとえば禁欲生活する。断食し座禅瞑想して頭も身体も動かさない、といったライフスタイルをおくると脳に良くないそうです。しかし、禁欲や断食によってかえって腹側被蓋野が働いて気持ちよくなる人もいるので、個人差があるのかも知れません。
 
●ここで、久保田教授は興味深い実験結果を紹介している。
 
サルに対して、キーを叩いたごほうびとして、腹側被蓋野を電気刺激してやる。サルはやる気が出て気持ちよいことだろう。そうしておいて、サルが空腹になる時間にエサや水をやる。その時、サルはどうするか? エサや水をとるか、はたまたキーを叩き続けるか?
 
「サルは、エサや水に見向きもせず、キーを叩き続ける」という結果がでました。
 
●一日に何万回もキーを叩き続け、空腹のはずなのに食べ物には興味も示さないという。サルにとって最高の報酬であるはずだった「食べ物」よりも上位次元にくる歓びがあったとは驚くばかりの結果ではありませんか。
 
●結論その2.
好きなことをやることと、体を動かすことをふだんの生活に取り入れること。
 
●結論その3.
生活習慣病は脳にひどく悪いダメージが及ぶ。脂肪が気になりだしたら低カロリー食をおいしく食べ、軽いジョギングなどの運動習慣を取り入れよう。それが脳をリフレッシュさせるといいます。

 

2011年08月05日(金)更新

インディの銃

●ひとたびメガフォンを持てば子供のように無邪気に映画撮影に興じた黒澤明監督も撮影現場に行くまでは布団から抜け出るのが苦手だったようです。
 
「やる気が起こらない、サボりたい、なんて誰でも思うことさ」という言葉を残しているのです。しかもこんな言葉まで。
 
「ロケ先の宿屋で朝起きるとカーテンから首を出して "雨降ってたらいいな" なんてしょっちゅう思うよ。でも否が応でも現場に行けば、夢中になっちゃう、そんなもんだよ」
 
●この夏は節電の影響でどこもエアコンの設定温度が高くなっていますが、あなたは夏バテしていませんか。もし体調が悪ければ、無理してでもがんばろうとせず、思い切って臨時休養するか、もしくは体調が悪いなりの仕事をしたほうがよいでしょう。
 
●映画スターだって風邪をひきます。高熱で寝込んでしまうときもあるでしょう。そんなとき、ロケ地ではどうしているのでしょうか。
 
『インディ・ジョーンズ/失われたアーク』でハリソン・フォード演じるインディが、カイロの街中で恋人を追う場面があります。この収録の日、実は主演のハリソンはウィルス性胃腸炎にかかっていて、体調は絶不調だったそうです。
 
●監督のスピルバーグは迷いました。
「どうしよう。ハリソンを休ませるべきか? でも撮影を遅らせたくない」
 
その日の収録は、ハイライトシーンの一つとなる場面が撮られる予定でした。台本ではインディがムチを駆使して大刀を持つ敵と激しくバトルすることになっていたのです。
クレイジーな表情で大刀を振り回しながら迫ってくる悪漢。しかし、我らがインディには有名なムチがあります。だれが観ても、大刀対ムチの壮絶なバトルを予想する場面です。
 
●ところが肝心のハリソンの体調が悪いことから、スピルバーグは現場で急きょ台本を変えました。
体調に配慮してバトルをやめさせ、拳銃で相手を撃たせることにした。これがかえって観客の期待をはぐらす名場面として映画の評判を高めることにもなったそうです。
 
●できるものなら、いつも心身ともにベストコンディションで仕事をしたいもの。しかし、そうでない時だってあります。そんな時にはそんな時のやり方をみつけるのがプロなのでしょう。インディがムチではなく、珍しく銃で相手をやっつけたことから「インディの銃」としてこの教訓を胸にしまっておきましょう。

 

2011年02月04日(金)更新

捨てよう

●何でもかんでも使い捨ての時代は終わり、今やリサイクルの時代です。
乾電池だって充電式のものが増えてきました。我が家も単三乾電池は充電式のものを使うようにしています。「捨てない」時代到来!

●かと思いきや、片方では「捨てる」こともブームになっています。

ある日のこと、amazonで「捨てる」をキーワードにして検索したところ、82作品がヒットしました。その上位10作品には次のような著作が並んびました。

1.「捨てる!」快適生活―部屋スッキリの法則
  飯田 久恵 (著) 三笠書房 ¥1,260
  
2. 捨てる!スッキリ生活
  辰巳 渚 (著) 幻冬舎  ¥1,155

3. 辰巳渚の「捨てる!」生活―家まるごと2日でスッキリ!!
  辰巳 渚 (著) 高橋書店 ¥1,365

4. 「捨てる!」技術
  辰巳 渚 (著) 宝島社 ¥735

5. 「捨てる力」がストレスに勝つ
  斎藤 茂太 (著) 新講社 ¥1,365

6. 運の流れにのる、たったひとつの方法―「捨てること」からはじめよう!
  中野 裕弓 (著) 大和出版 ¥1,260

7. 「超」整理法〈2〉捨てる技術
  野口 悠紀雄 (著) 中央公論新社 ¥580

8. 捨てる達人・収納名人―スッキリ暮らす50の鉄則
  芳垣 真之 (著) 三水社 ¥1,365

9. 心のシンプルライフ―「過去」「感情」「未来」「葛藤」「正しさ」「自分」…。
  -心の不要品をすべて、徹底して捨てる技術。
  ヒュー プレイサー (著), ヴォイス ¥1,785(税込)

10. もう一度「捨てる!」技術
  辰巳 渚 (著) 宝島社 ¥630

いずれも最近売れた本です。

●貯め込むのが好きで、捨てるのが下手な私。
限られたスペースしかないオフィスや自宅も物だらけになってしまいます。「これじゃダメだ」と、年に数回大掃除をします。ということは、年に数回キレイになるだけであとの360日はキレイでないということです。意を決して「捨てる、貯めない、キレイにする」を続けたいと思っています。

●捨てる・・・
捨てるべき物は「物」だけではないはずです。精神的な "もの"の中にも捨てるべき"もの"、脇へ置いておくべき"もの"があると思うのです。
斎藤茂太著『「捨てる力」がストレスに勝つ』によれば、旅を楽しむためには、夫も妻も、捨ててゆかねばならないものがあるといいます。
夫は、仕事のことや自分がスポンサーであるというおごり、夫であるという意識など。
妻は、子どもの事、家庭の事、戸締まり、火の用心、お金のやりくり、などなど。つまり、我が家と我が職場を捨てないと旅が楽しめないというのです。

●日常を引きずったままの旅など、真の旅とはいえないのでしょう。
私も何度か旅先でかみさんと言いあらそいをしてしまったことがあり、「こんなことならもう二度とあなたと旅行なんかしない」と言い合ったものです。

●捨てることが大切なのは旅だけではありません。
そもそも人生が旅なのですから、定期的に何かを捨てないと船底にくっついた蛎殻(かきがら)だらけの重~い船体になってしまいます。重くなるのは体重だけではありません。心も重くなるから心の病が増えているのです。

●斎藤氏によれば、捨てたいものとして
・過去の栄光
・名誉や誇り
・我欲
・似合わない、ふさわしくないもの
・背伸びしていたこと

などを捨てようと説きます。それらを捨てることによって身軽になり、新たに得られる何かがあるとも指摘します。

●また、氏は、定年に近い年齢になってくると捨てる準備をしなければならないものがある、として
・仕事への野心
・地位があったころのプライド
・人に指図する癖
・何かと偉そうな態度
をあげています。いつまでも現役バリバリのころのような態度をとっていると、"孤独な年寄り"になるともオドス。

●最近、心のメンテナンスが足りないなぁとお思いの方は、物心両面でいろんなものを捨ててみましょう。なんだか気分が重いなとお感じの方、ふさわしくない目標、背伸びした目標になっていないか点検しましょう。

気負いも衒(てら)いも捨ててこそ、浮かぶ瀬もあるはずです。

2010年03月26日(金)更新

西郷式

●Do it now! 今すぐやろう。考える前にとにかくやる。いつまでもぐずぐず考えていたら日が暮れてしまいます。その効用をもっとも感じるのは起床のとき。早起きの必要性を本やセミナーでいくら学んだところで早起きはできません。早起きしたかったら早起きするしかないのです

●昔、西郷隆盛さんは朝寝坊の自分にほとほと困っていたそうです。このままの自分では倒幕だ、薩長同盟だ、の騒ぎではない。何とかして早起きの習慣を身につけないと、かみさんに頭が上がらない平凡な役人人生で終わってしまうと考えたことでしょう。

●そこで西郷さんは自分にあった早起き法を開発しました。人呼んで「西郷式朝起き」。私はメルマガの発行を始めた2000年以降、この方式を取り入れて起きるように心がけています。「西郷式」のノウハウはいたって簡単なもの。

●明け方、ふとんの中で目が覚めたら、今何時かを気にしません。一秒も躊躇せず布団をけ飛ばし、その拍子でスックと立ち上がり厠(トイレ)に行きます。厠にいるうちにやがて目が覚めてきます。あとは二度寝しない。これが「西郷式朝起き」です。高血圧の人や高齢者にはおすすめできませんが、そうでない限りおすすめです
●とにかく、すぐに起きることが大切なのです。
私は今でも目覚まし時計に起こされたり、かみさんに起こされることもありますが、自然に目覚めることが多くなりました。外が真っ暗で静まりかえっていると、時計だけみてもう一度寝ようと思うこともありますが、なるべく目が開いた瞬間が起床時間なのだと思うようにしています。時にはそれが午前2時だったり3時だったりして結局午後には昼寝が必要になるときもありますが、それでも構いません。

●「私は○時間眠らないとダメなたちなので・・・」という人もいますが、それはアファーメーション(自己宣言や自己暗示)のようなもの。そうした制約で自分を縛らないことをおすすめします。

●ところで早朝に起きて何をするかを決めてありますか?
大好きな紅茶を楽しみながら読書するもよし、音楽を聴きながら散歩やジョギングも良いでしょうし、写経しながら精神を集中するのも良いでしょう。とにかく朝起きて楽しみなことが多ければ多いほど、目覚めはさわやかですし、眠りもおのずと深くなることでしょう

西郷式、まずはあなたもお試しあれ!
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