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D社の貯蓄作戦

投稿日時:2013/11/22(金) 13:09rss

●前回の続き。
「会社にお金が貯まらない」のがD社長の悩みだった。自宅で好物の梅酒ロックを片手にそのことを妻に話すと、なんと彼女がとっておきの方法を教えてくれた。時には愚痴ってみるのも悪くないものだ。彼女のアイデアを聞いたとき、「それなら会社でもやれそうだ。最初はちょっと面倒だけどうまく回り出せば楽にお金が貯まるような気がする」とDは思った。

●D社の普通預金や当座預金にはいつも運転資金として必要な資金だけがプールされていて、積み立て預金や定期預金のたぐいはまったくない。20年以上会社をやってきてこんな状況では情けない。どうしたら資金力のある会社になれるだろうかとかねがね思ってきたD。

●奥さんの助言に従って口座管理のあり方を変えることにした。今までは、入金や出金の9割以上はひとつの普通預金口座でまかなってきた。まれにサブの口座や郵便局・ネットバンクを使うときもあるが、それは全体の1割程度だ。

●D社長は入金用口座と出金用口座を分けることにした。毎月3千万程度の売り上げ入金があるが、そちらは今までの普通預金口座「A」に振り込んでもらう。そして、この「A」をマスター口座と位置づけ、資金を蓄えるのもこの「A」が行う。

●次いで、出金(業者への支払い用や経費の支払い)専用口座「B」と、特別支出専用口座「C」の二つを新たに作った。「C」の口座では、社員の賞与や納税資金など不定期ながらも確実に出費することがわかっている性質の資金を貯めておく。そして毎月一回だけ、決めた日にマスター口座から「B」「C」へ資金移動するわけだが、必ずマスター口座にお金が貯まるように資金移動する。仮にマスターに100入金があっても、「B」と「C」には合計して90位しか資金移動しない。あとはそれで何とかやっていくのだ。そうするとマスター口座には常時、入金額の1割程度がプールされていくという考え方だ。

●果たしてこんなシンプルなやり方がうまくいくかどうかはまだ分からないが、彼の奥様の実績があるので心強い。大切なことは目的に向かってまず行動することだ。ところでこのやり方は奥様の特許ものアイデアかと思いきや、参考図書があるというのでさっそく私も読んでみた。

富を築く100万ドルのアイデア

●個人の家計管理についていえば、この本の通りに実行するのは簡単だろう。そして貯まるに違いない。だが企業の資金管理においてどれだけ通用するものかどうかは未知数だが、考え方はものすごく参考になるはずだ。D社の実験の推移をこれからも見守りたい。

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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