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2010年07月30日(金)更新

社長が考えていること(2)

●前回のブログでは、中小企業の社長が今考えていることのリストをご紹介しました。今日はその続編をお届けしたいと思います。

<社長が今考えていること 後編>

■組織とコミュニケーション関係

・会議体系が整備され、会議が機能する組織でありたい
・京セラ流コンパのような上手な飲み会をやって社員と腹をわって語り合う
・「オフサイトミーティング」が活発に行われる会社にしたい
・自分になりかわって汚れ役を買ってくれるような幹部がほしい
・社員と【Wish List】を共有したい
・明るくて楽しくて活気ある会社にしたい
・事業部ならびに個人毎にP/LとB/Sが出る体制を敷き、報酬還元する
・決算内容を社内にオープンにし、「自分たちの会社」と感じてもらうようにする
・前もって決めた基準に沿って昇給や賞与を決めていきたい
・ノー残業デーを会社で決めるか、個人ごとに決めるなどして早く帰宅できる日を増やす
・一週間以上の長期休暇が取れる会社にしたい
・5年に一回は一ヶ月休暇を取らせてやりたい
・整理整頓とあいさつが行き届いた会社にする
・税務調査が入っても何の問題もない会社にしたい
・妻の仕事(経理)を減らし、家事に専念できるようにしてあげたい
・ドリンクやフルーツ、菓子類がいつでも誰でも無料な会社にする
・クリーニングや買い物など社員の私用を全部請け負うサービス体制
・社員に感動やサプライズがある会社にしたい
・社員が自宅に帰ってからも会社の自慢ができるような会社にしたい
・社員の子供が入社する会社にしたい

■顧客関係

・顧客から指名される企業でありたい
・お客様から感謝のハガキやメールが届く会社にしたい
・お客様満足のバロメータになるような指標を作りたい
・顧客アンケートを定期的に実施し、満足度を毎年高めたい
・リピート率の高い企業でありたい

■取引先や社会との関係

・取引先や金融機関とともに発展する会社になりたい
・国民の義務、企業の義務として毎年納税額を増やしたい
・環境問題への取り組みが先進的な企業であり続けたい
・有給とは別に、毎年一日、社員にボランティア休日を設定する

■競争関係

・地域ナンバーワン、業界ナンバーワンになりたい
・同業者からも尊敬されるような存在になりたい
・社員ひとりあたりの設備装備率を高め、競争力のある会社になる
・ナンバーワンではなく、オンリーワンの存在になりたい
・日本一、世界一、といえるものを作っていきたい
・ギネスに認定されるものをもちたい

■インターネット

・自社サイトを大改革し、ネットに強い会社になりたい
・お客様とメールやブログで繋がるコミュニケーションを構築したい
・社内パソコンは二年サイクルで更新していきたい
・経理や賃金はコンピュータ化し、月次の中間でも損益を確認したい
・情報やデータの社内共有を促進したい
・日報をすべてブログかMLにしたい
・社長ブログを始める
・ニュースのある会社になる
・社員全員にiPhoneかiPadをもたせ、スピーディなサービス体制を作りたい

■経営者自身の成長、楽しみ

・決算書が読めるようになりたい
・役員報酬として前年度粗利益のχ%と設定したい
・日常業務から完全に脱し、社長業に専念できるようにしたい
・アスリートのような肉体と知力がある社長になる
・何才になっても伴侶や異性から魅力的な人だと思われたい
・英語、中国語を話せるようになる
・視野を広げる為、社長は業務があってもなくても海外へ行き続ける
・毎朝出社前に新聞と書籍を読んでから出社する
・大勢の前で落ち着いて話のできる社長になりたい
・暴飲暴食をせず、スマートな酒の飲み方をしたい
・ベストセラーになるような本を企画出版したい

まだまだあるはずです。あなたも【Wish List】を書き出してみましょう。まずは200個書き出してみて、その後は随時加えていきましょう。

前号とあわせてご覧いただくことで、あなたのリスト作りが大いにはかどることになるでしょう。社員にもやらせてみてください。

2010年07月23日(金)更新

社長が考えていること(1)

●「考える」ことと「悩む」ことには、はっきりとした違いがあります。「考える」という行為は生産的であるのに対し、「悩む」という行為には非生産的な響きがあります。
なにかを生みだそうと紙と鉛筆(またはパソコン)を手にして考えることが大切です。書いて書いて書きまくっていくと、やがて指が勝手に考えてくるようになります。

●先日の「海の日」の連休を利用して『社長のための計画合宿』を名古屋で開催しました。15人の社長が自社の経営理念や経営戦略を紙に落とし込んでいきます。一泊二日とはいえ、正味10数時間はアッという間に過ぎてしまいます。

そんな合宿の過ごし方をみていると、生産的な社長は書きまくって考えていますが、生産的でない社長は腕組みをし、虚空を見上げながらウンウンとうなっています。

●すでにあらゆる社長が、あらゆる問題について考えてきました。そうした先人の知恵を活用し、いただけるアイデアはどんどん吸収していけば良いのです。

中小企業の経営者は今まで何を考えてきたのでしょうか。

「あなたは今、何を望んでいますか?」をWish Listにしてくださいと私はお願いしています。多い人は1,000個以上のWishを書いてこられます。少ない人でも100個くらいはすぐに書けます。リストの中味は経営だけに限らず、健康のことや学習、教養、知識、精神、家庭、経済、趣味や娯楽など自由に書いてもらいます。ただし、二つだけ約束事があります。一つは、ポジティブに書くこと。「資金繰りが悪い」と書くのではなく、「潤沢な資金がある会社にしたい」と書く方が希望がもてるからです。

もう一つは、なるべくイメージが湧くように書くことです。「フランスへ行きたい」と書くよりは、「ルーブルでモナリザに対面したい」とか「三つ星レストランでフレンチ料理を楽しみながらボルドーワインを満喫したい」と書く方がリアリティがあってワクワクします。

●今日はそんな「Wish List」の中から、経営に関することだけを拾い集めてみましたので、ちょっと見てみましょう。

■1.理念・ビジョン関係

・きっちりと成文化した経営理念を作りたい
・理念を組織内に浸透させ、実践したい
・会社の将来に対して明るい希望がもてるようなビジョンを作りたい
・ビジョナリーカンパニーになりたい

■2.業績と財務関係

・絶対つぶれない会社になりたい
・100年続く会社になりたい
・売上高を増やしたい(χ年でy倍にしたい)
・利益率が高い会社にしたい
・年商に匹敵する現預金をもちたい
・長期にわたって増収増益を続ける会社にしたい
・無借金企業にしたい
・自己資本比率をχ%以上にしたい
・ROA(総資本利益率)をχ%以上にしたい
・株式公開できる会社になりたい
・買収されるような会社になりたい
・後継者が継ぎたいと思えるようなピカピカの会社にしたい

■3.社員関係

・社員の平均年収を業界平均のχ%アップでキープしたい
・社員が指示待ちではなく、自分で率先して仕事を創ってほしい
・年収1,000万円プレーヤーを社員の中から出してやりたい
・社員とその家族から我社で働いてきて良かったと言われたい
・社員の愛社精神が高い会社員したい
・報告・連絡・相談がきっちりできる人材ばかりにしたい
・時間や納期に対してシビアな社風を作り上げたい
・社員ひとりひとりに人生ビジョンを作らせたい
・社員から毎年最低一人、新規事業部門の社長を育てたい
・10年計画くらいのスパンで複数の若手後継者を育成・選抜する
・有給休暇が堂々と取れ、完全消化できる会社になる
・優秀な若者が毎年入社してくるような会社にしたい
・高齢者でも働ける会社、高齢者が入社してくる会社にしたい
・社員旅行を年二回開催し、一回は国外旅行にしたい
・社員教育の体系を整備したい
・女性人材が入社し、定着し活躍できる会社にしたい
・福利厚生の一環として、プロ野球のシーズン券を確保したい

■4.営業関係

・手形を切らない、もらわない
・新規開拓力の強い営業部隊を作りたい
・営業が営業の仕事をしていないので、営業活動に専念させたい
・全国の主要都市に営業拠点網を完成させたい
・中国やアジア諸国との貿易を開始したい
・自社開発のオリジナル商品の比率を高め、下請け依存度を下げたい
・口コミでお客が広がる状態を作りたい
・無事故無災害の会社になる
・会社案内を始めとした営業ツールを毎年アップデートしたい
・毎朝朝礼前の10分間を読書時間とし、読書の習慣を全員がもつ


<続きは次回。あなたも「Wish List」を作ってみましょう!>

2010年07月16日(金)更新

士の心

●山口県萩市にある「松下村塾」跡地、今の松陰神社には毎年一回は訪れています。ここにくるだけで、自分の志が問われるようで、厳粛な気持ちになれるからです。
志というものは、何かになろうとするために作るものではなく、いかにあるべきかの基準を定めることのほうが大切なのだと思います。

●吉田松陰が叔父・玉木文之進の嫡子、毅甫(きすけ)の元服に際して贈ったことばがあります。このときの文章がのちの松下村塾の士規七則につながっています。

1.およそ生をこの世に受けて人となったからには、人が禽獣(きんじゅう)と異なるゆえんをしらなければならない。思うに人には五倫がある。そのうち君臣、父子の道が最も大切である。だから人の人である真面目は、忠孝を根本とすることにある。

2.およそ皇国に生まれたからには、わが国が世界各国より尊いわけを知っていなければならない。思うに、皇室は万世一系であり、士や大夫は代々禄を受け地位を継いでいる。
君主は人民を養い、祖業を継がれ、臣民は君主に忠義を尽くし、もって父の志を継いでいる。君民一体、忠孝一致、これはわが国だけの特色である。

3.士の道は、義より大切なものはない。義は勇気によって実行され、勇気は義によってますます発揮される。

4.士の行為は質実で自分の心を欺かないことが肝要である。いつわりに巧みであったり、あやまちを飾りごまかすことを恥とする。心が明白で邪心なく、行ないが正しく堂々としているのは、みなここが出発点なのである。

5.人たる者で、古今の学問に通ぜず、聖賢を師とせず、自己の修業をおこたるようでは、心のいやしいままで終わってしまうだ けである。読書や賢人を友人とするのは君子のなすべきことである。

6.徳を厚くし才能を磨くには、師の恩や友人の益によるところが大きい。それゆえ君子は人との交際を慎重にする。

7.死してのちやむの四字(死而後己)は、言葉は簡単であるがその意味は広い。堅くたえ忍び、果断に実行し、断固として心を変えないのは、この死してのちやむの精神をほかにしては道がないのである。

●いかがでしょうか。

何かになろうとする目標より、いかに生きるべきかを重視する姿勢は当然のことかも知れません。なぜなら、もし士(さむらい)が何かになろうとする目標をもつとしたら、いつ下克上の世の中になるかわかりません。

志とは士の心と書くごとく、立身栄達よりも、心を大切にすることです。
日常のなかに義を元にした研ぎ澄ました生き方をすることが当時の士の志だったのでしょう。

私たちもそうした部分を忘れずに持っていたいものです。

2010年07月09日(金)更新

海援隊約規に学ぶ

●「海援隊の約規は実に簡素なものである。事細かな規則など必要ない。我々は天を翔ける鶴、その飛ぶ所にまかす。鳥かごの中に入るものではない」と龍馬が書いているように、海援隊の約規はとても短いものです。その原文と武沢訳の両方をお届けしましょう。

【海援隊約規 原文】

一.凡嘗テ本藩(土佐)ヲ脱スル者及佗(他)藩ヲ脱スル者、海外ノ志アル者此隊ニ入ル。
  運輸、射利、開柘(拓)、投機、本藩ノ応援ヲ為スヲ以テ主トス。
  今後自他ニ論ナク其志ニ従ッテ撰入之。

二.凡隊中ノ事一切隊長ノ処分ニ任ス。敢テ或ハ違背スル勿レ。若暴乱事ヲ破リ妄謬害ヲ引ニ至テハ隊長其死活ヲ制スルモ亦許ス。

三.凡隊中忠難相救ヒ困厄相護リ、義気相責メ条理相糺シ、若クワ独断果激、儕輩ノ妨ヲ成シ、若クハ儕輩相推シ乗勢テ他人ノ妨を為ス、是尤慎ム可キ所敢テ或犯ス勿レ。

四.凡隊中修業分課ハ政法、火技、航海、汽機、語学等の如キ其志ニ随テ執之。
  互ニ相勉励敢テ或ハ懈ルコト勿レ。

五.凡隊中所費ノ銭糧其の自営ノ功に取ル。亦互ニ相分配シ私スル所アル勿レ。
  若挙事用度不足、或ハ学科欠乏を致ストキハ隊長建議シ、出崎官ノ給弁ヲ竢ツ。

 右五則ノ海援隊約規、交法簡易、何ゾ繁砕ヲ得ン。モト是翔天ノ鶴其ノ飛ブ所ニ任ス。豈樊中ノ物ナランヤ。今後海陸ヲ合セ号シテ翔天隊ト言ハン。亦究意此ノ意ヲ失スル勿レ。

【海援隊約規 武沢訳】

一.およそかつて本藩を脱する者、他藩を脱する者、内外に志ある者、みなこの隊に入る資格あり。運輸、営利活動、開拓、投機、本藩の応援をもって主業務とする。今後、異論なくば方針にかなう業務はこれに加わる。

二.およそ隊中のことのいっさいは隊長の処分にまかせる。隊員は、隊長の指示方針などに違背してはならない。もし暴乱、違反行為、隊に対する迷惑行為などがあれば、隊長がその死活を制することを許す。

三.隊中にあっては、互いの困難を助けあい、守りあい、互いの気分が緩んでいるときには責めあい、道理や筋道の通らぬことは正しあい、独断で過激な行為に走るのを制しあうこと。仲間の邪魔をしたり、集団で他人の行為の邪魔をするなどの行為は、もっとも慎むべき所で決してこれを犯してはならない。

四.隊中の修業分課は、政法、火技、航海、汽機、語学等のごとき、その志に従ってこれを学ぶ。互いに勉励し、怠ってはならない。

五.隊中の活動は独立採算。活動に要する経費などは、隊の活動で得た利益でまかなうこと。収益は互いに分配し、私腹を肥やしてはならない。万が一、資金が足りず、修業に支障がでるような場合には、隊長が建議し、出  崎官役(後藤象二郎)の支給をまつこと。

 以上五則の海援隊の約規は実に簡素なものである。事細かな規則など必要ない。我々は天を翔ける鶴、その飛ぶ所にまかす。鳥かごの中に入るものではない。今後、海の海援隊だけでなく、陸をもあわせて「翔天隊」と言わん。この理想と精神を忘れてはならない。

●いかがでしょう、龍馬の真剣味が伝わってくるようですね。
事実、海援隊の活動は本格的なものでした。第四条に出てくる「政法」とは、政治活動に関するもので、後に政治的出版物を発行することにつながっています。
また、「火技」「航海」「汽機」に関してはそれぞれの専門家が隊内にいたほか、龍馬の師である勝海舟から神戸海軍操練所で教えを受けるなど、最先端教育をほどこしていたのが「海援隊」なのです。

●あなたの会社にとって「約規」に相当するものが「就業規則」でしょう。

しかし就業規則は「労働基準法に準拠している会社ですよ」ということを労基署に示すために作られたものが多いはずです。社長の理想や思想が入っているものは少ないでしょう。これを機会に、就業規則とは別に「海援隊約規」に相当するものを作ってみてはいかがでしょうか。

●就業規則を分かりやすく解説した「社員ブック」を作ろうと説く人がいます。経営理念やクレドを作り、それをカードにして毎朝唱和しようという人もいます。
「経営計画書」や「経営マニフェスト」を作ってそれを毎日1ページずつ音読するという人もいます。
形式ややり方は何でも構いません。大切なことは、全員がそれを読んで魂が鼓舞され、自分達が目指しているものや仕事遂行上の原理原則を確認できる簡潔なものが良いと思います。

2010年07月02日(金)更新

酒を飲むのも仕事

●サッカー日本代表の活躍で、支持率がV字回復した岡田武史監督。思いきった選手起用と自分達はやっぱり弱いんだという前提で泥臭い戦い方をしたのが功を奏しているようです。
この原稿を書いている段階ではまだ決勝トーナメント初戦(パラグアイ戦)が始まっていないので先行き不透明ですが、どこかの段階で祝勝会かご苦労さん会をやるでしょう。そんな時の酒は本当に美味いだろうと思います。これぞ勝利の美酒というもの。

●昔、戦国時代のある名将は戦に大勝し、部下に酒を振る舞おうとしましたが酒が足りなかった。そこで、酒を川に投じてみなでそれを汲んで飲んだといいます。川水で酔うわけがありませんが、名将の思いやりに部下は酔いしれたことでしょう。

●「福」を分かち合うということを「分福」といいます。一方、「福」を将来のために取っておくことを「惜福」といいます。
うまい酒はみんなで分かち合って飲もう!というのが「分福」で、うまい酒は一晩で飲まず、毎晩一人でチビチビやろうというのが「惜福」なのです。どちらも大切ですが、リーダーにふさわしいのは「分福」の方でしょう。

●私は仕事で各地を回りますが、旅先ではかならず現地の人と酒を酌み交わします。誘われることが多いのですが、時にはこちらから誘います。地酒や地の魚がうまい名店へ行くこともあれば、みなでワイワイと大衆酒場へ繰り出すこともあります。

●酒場ではお互いがもっている愉快な話題やおもしろい経験、アイデアなどを「分福」するのが目的で、司会者が話題を仕切って飲む酒はうまくありません。ゆったりと自然に話題が移ろっていき、面白おかしく談笑しながら料理と酒に舌鼓を打つような飲み会が好きです。

●ある時、私の講演を聞いた受講者からこんなメールを受け取ったことがあります。学生や子供じゃないのだから、もっと主体的に飲みなさいと返答申し上げたのですが、あなたはどのようにお考えでしょうか。

「武沢さん、先日の講演をお聞きした○○と申します。講演の内容はとても素晴らしく、参考になりました。二次会でももっと素の武沢さんのお話が聞けると思っていましたら、ほとんど皆さんとの雑談ばっかりで、私には時間がもったいなく感じられました。ご講演の内容を掘り下げるようなお話をして下さるか、逆に我々にむかってなにか質問して下さるような時間があれば良かったのにと、少々残念な思いでした。」

●酒場で仕事の話がガンガンできる人もいます。適度に酒を飲んで魂と魂のぶつかり合いをやろうという考えです。
たとえば、京セラの稲盛和夫名誉会長は「お酒を飲みながらコンパを命がけで行う事が大切」と説いています。経営にはフィロソフィーの共有化が大切であり、そのためにはコンパが一番だというのです。
私は酒を飲むとまじめな話をするのが苦手になるので稲盛さんのマネはできませんが、京セラ流コンパのやり方を知っておくことは経営者のためになると思うのでご紹介します。

・広い畳敷きの部屋を貸し切る(または作る)
・車座の中心人物もしくは司会者が一人一人を指して発言を求め、本音で議論を戦わせていく。
・上司が部下の酒をつぐ(なるべく部下に不要な気を使わせない)
・酒を飲むし、切らさない。だが、飲めない人には強要しない
・だいたいの終了時刻を決めておき、お開きのときには一人ひとこと決意表明する
・中座しない、させない(携帯電話禁止)
・テーマを明確にし、真剣な議論をする
・ジョークは必要だが、脱線話は許さない

●酒を「分福」の場にするか、それとも魂のぶつけ合いにするか。
「TPOによって酒の飲み方を使い分けられる人間になろうではないか」というのが面白みに欠ける今日の私の結論ですが、私はあなたの酒席の哲学をお聞きしてみたいと思っています。ご意見お寄せください。

ボードメンバープロフィール

board_member

武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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