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私の抵抗勢力

投稿日時:2013/11/08(金) 13:16rss

●数年前の「小泉改革」のときに話題になった「抵抗勢力」という言葉にはものすごいインパクトがあった。
若手議員のみならず、中堅もベテランも問わない。とにかく郵政民営化に反対した議員には皆、「抵抗勢力」のレッテルを貼って自民党から放逐した。抵抗勢力の彼らがスケープゴートになって自民党内の結束を高め、国民に向かっても「改革の火を消すな」という姿勢を鮮明にした。

●「抵抗勢力」つまり仮想敵を明確にすることには効果がある。
あなたの今の改革テーマは何だろう。その改革の妨げになるような「抵抗勢力」は何だろう。それを明確にしておくことで、今までとはひと味違う成果を上げることができるはずだ。

●私的な話題で恐縮だが、ある年のこと、『肉体改造から始まる今年のスタートダッシュ!』をスローガンにして徹底的に体を絞り上げようという目標を掲げた。
まずは、ジム(又はヨガ)に通うという習慣づくりと、毎日汗を流す気持ちよさを味わうことを主眼に据えた。「週二回のジムなんて生ぬるい。毎日ジムだ!」というわけだ。
それだけでなく、徹底した小食によって胃袋のサイズを小さくしてしまう計画もたてた。そして実行し始めた。1月3日からジムに通い始め、最初の一週間で10回ジムまたはヨガへ通った。やるならとことんクレイジーにならねば。改革に躊躇やためらいは不要だ。やるならトコトンなのだ。

●だが、二週目あたりから「抵抗勢力」がジャマをし始めた。それは、私の心の中の「抵抗勢力」で、こんなことを私に向かってささやくのだ。
・やり過ぎだろ、いくらなんでも。スポーツマンじゃないんだから、体を痛めてまで運動するなんてナンセンスだ。
・過ぎたるは及ばざるがごとしと言うじゃないか、休むのもトレーニングの一部のはずだ。
・自分の年令を考えろ、いい年して毎朝ジムへ通い出して、仕事をどうする気だ?まずは仕事だろう。

そういえば、左肩が痛いし、膝にも違和感を感じる。これらはいずれもが朝、ジムに行く前の抵抗勢力だ。

●仕事が佳境に入り出した午後になると別の抵抗勢力が表れる。
・おまえは早起きしてジムへ行ったんだから無理すんなよ。今は肉体改造がメインなんだろ、だったら仕事は少しスローダウンしろよ。
・明朝もジムに行くのだろう?だったら仕事はその辺で切り上げて、さっさとウチへ帰ろうよ。家族がみんな君の帰りを待ってるよ。

●とんでもない。肉体改造は良い仕事をするためにやるものだ。仕事の妥協なんてしない。ジムもヨガも仕事もどれひとつ手抜きなどしない。正確に言えば、すべての活動を楽しみ、満喫するために今月の旗印を掲げているのだ。

●体が悲鳴を上げているのならペースダウンも必要だろうが、悲鳴を上げているのは心の抵抗勢力の方だ。
こんなときは、もっとペースアップしてやろう。自分に無理を強いて、まずは心の抵抗勢力(甘え)を駆逐することが必要だと突っ走った。
結局、二ヶ月後、膝の違和感が現実の膝痛になり、プール歩行を中心にした穏やかなメニューにはなったものの、改革初期の抵抗勢力には打ち勝つことができ、半年で18キロ減量に成功することができたのである。

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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