武沢信行の「社長の学校・事始め」 | 経営者会報 (社長ブログ)
社長業を極めるためのカリキュラムについて、「日本的経営のリニューアル」という視点から紹介します
なぜ利益を上げるのか?
●ある会社の経営方針発表会での出来事。終了後の立食パーティで入社一年目の新人が社長に質問しました。
「社長、どうして毎年売上高や利益を上げていく必要があるのですか?」
という素朴な疑問です。社長は答えました。
「それはだね、我々全員が豊かになるためだよ。」
社員はけげんな顔をしていたが、たぶん理解していないでしょう。
●また、別の会社の営業部長は幹部会議でこんな発言をしました。
「社長、上半期の売上は前年割れしました。営業利益段階ではほぼ前年比で半減していますが、まだ累計で1,000万円近い営業利益が残っていますので、会社としては大丈夫かと・・・」
この営業部長氏、利益というモノがわかっておられないようです。「利益=単なる会社の儲け」と盲信しているのですね。
●まず、「利益とは何か」ということと、その利益を毎年増やしていく理由はどこにあるのか? ということを語れる経営者になりましょう。たとえば、
「利益とはわが社が提供している製品・サービスがお客様からどのように評価されているかというバロメーターであり、社会がくれた通信簿でもある。ここで赤字(赤点)をもらうということは、社会からみて不要かつ悪だということだ」
という根本思想を教え込むべきです。
●しかも、利益の半分が税金にまわるのであり、納税の義務を果たすためにも利益は必要です。納税したあとに残る純利益から借金が返済されるわけですから、少なくとも借金返済額の2倍の利益を出さないと、現金収支はマイナスになるということです。
●利益は以下の5つの目的のためにも必要です。
1.従業者の生活(雇用や待遇)を改善・安定させるため
2.勉強する費用や時間を稼ぐため
3.有能な人材を採用するため
4.健全な財務基盤を築き、経営の自立を勝ち取るため
5.新しい製品・サービス・機会に投資するため
6.経営理念を実現する原資を確保するため
●もう少し具体的にみてみましょう。
1.従業者の生活を改善・安定させるため
社員や経営者の収入を安定させることと、労働法規に沿った環境を整備することです。収入面や労働時間面の不安が長引いては、生活が安定しませんし、仕事にも集中できません。
2.勉強する費用や時間を稼ぐため
社会全体のことから経済、経営、実務にいたるまで私たちが知るべき知識や技術は多いのです。目の前の実務をこなす勉強だけではやがてアンバランスな人間になるでしょうから、社員の人間教育のようなものも会社の責任といえるでしょう。
そうした勉強をするための費用を捻出するのは利益からです。勉強するための時間も、利益がなければ厳しくなります。
3.有能な人材を採用するため
会社全体の成長を確保するためには、絶えず組織に有能な人材を補充していかねばなりません。欠員が出たから補充するという行き当たりばったりの採用では、やがて成長が止まります。
4.健全な財務基盤を築き、経営の自立を勝ち取るため
まず、つぶれない会社にすることです。不況が長引いても雇用不安を起こさない会社にすること。そのためには、他人資本への依存度を下げて、自己資本を充実させなければなりません。
5.新しい製品・サービス・機会に投資するため
これは挑戦のための費用です。そして挑戦には失敗がつきものでもあります。新規事業への参入や、新製品の開発、技術開発や研究開発など数年後のために支払う経費を確保するにも利益が必要です。
6.経営理念を実現する原資を確保するため
経営理念はお題目に終わらせていては意味がありません。理念に少しでも近づく努力が必要で、その原資になるものがやはり利益なのです。
●こうした6つの理由によって、会社は絶えず収益を向上させていかねばならないのです。別の表現をすれば、この6つの課題に取り組まずに上げた収益には意味がない、ということです。
「社長、どうして毎年売上高や利益を上げていく必要があるのですか?」
という素朴な疑問です。社長は答えました。
「それはだね、我々全員が豊かになるためだよ。」
社員はけげんな顔をしていたが、たぶん理解していないでしょう。
●また、別の会社の営業部長は幹部会議でこんな発言をしました。
「社長、上半期の売上は前年割れしました。営業利益段階ではほぼ前年比で半減していますが、まだ累計で1,000万円近い営業利益が残っていますので、会社としては大丈夫かと・・・」
この営業部長氏、利益というモノがわかっておられないようです。「利益=単なる会社の儲け」と盲信しているのですね。
●まず、「利益とは何か」ということと、その利益を毎年増やしていく理由はどこにあるのか? ということを語れる経営者になりましょう。たとえば、
「利益とはわが社が提供している製品・サービスがお客様からどのように評価されているかというバロメーターであり、社会がくれた通信簿でもある。ここで赤字(赤点)をもらうということは、社会からみて不要かつ悪だということだ」
という根本思想を教え込むべきです。
●しかも、利益の半分が税金にまわるのであり、納税の義務を果たすためにも利益は必要です。納税したあとに残る純利益から借金が返済されるわけですから、少なくとも借金返済額の2倍の利益を出さないと、現金収支はマイナスになるということです。
●利益は以下の5つの目的のためにも必要です。
1.従業者の生活(雇用や待遇)を改善・安定させるため
2.勉強する費用や時間を稼ぐため
3.有能な人材を採用するため
4.健全な財務基盤を築き、経営の自立を勝ち取るため
5.新しい製品・サービス・機会に投資するため
6.経営理念を実現する原資を確保するため
●もう少し具体的にみてみましょう。
1.従業者の生活を改善・安定させるため
社員や経営者の収入を安定させることと、労働法規に沿った環境を整備することです。収入面や労働時間面の不安が長引いては、生活が安定しませんし、仕事にも集中できません。
2.勉強する費用や時間を稼ぐため
社会全体のことから経済、経営、実務にいたるまで私たちが知るべき知識や技術は多いのです。目の前の実務をこなす勉強だけではやがてアンバランスな人間になるでしょうから、社員の人間教育のようなものも会社の責任といえるでしょう。
そうした勉強をするための費用を捻出するのは利益からです。勉強するための時間も、利益がなければ厳しくなります。
3.有能な人材を採用するため
会社全体の成長を確保するためには、絶えず組織に有能な人材を補充していかねばなりません。欠員が出たから補充するという行き当たりばったりの採用では、やがて成長が止まります。
4.健全な財務基盤を築き、経営の自立を勝ち取るため
まず、つぶれない会社にすることです。不況が長引いても雇用不安を起こさない会社にすること。そのためには、他人資本への依存度を下げて、自己資本を充実させなければなりません。
5.新しい製品・サービス・機会に投資するため
これは挑戦のための費用です。そして挑戦には失敗がつきものでもあります。新規事業への参入や、新製品の開発、技術開発や研究開発など数年後のために支払う経費を確保するにも利益が必要です。
6.経営理念を実現する原資を確保するため
経営理念はお題目に終わらせていては意味がありません。理念に少しでも近づく努力が必要で、その原資になるものがやはり利益なのです。
●こうした6つの理由によって、会社は絶えず収益を向上させていかねばならないのです。別の表現をすれば、この6つの課題に取り組まずに上げた収益には意味がない、ということです。
ボードメンバープロフィール
武沢 信行氏
1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。
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