武沢信行の「社長の学校・事始め」 | 経営者会報 (社長ブログ)
社長業を極めるためのカリキュラムについて、「日本的経営のリニューアル」という視点から紹介します
コントロール係数<その1>
●世の中には、自分一人の力で結果が出せることと、一人の力ではどうにもならないことがあります。この二つの分かれ目となるキーワードを、仮に「コントロール係数」と呼ぶことにしましょう。
●「コントロール係数」が100%とはどのようなことかと言うと、自分一人の力によって思い通りに事態を変えられるということです。たとえば、あなたの行動はあなた一人の意志で動かすことができるでしょう。お昼に何を食べるか、夜は何時に就寝するか、明日の朝は何時に起きるか、などはあなたの自由意志で決められますから、「コントロール係数」は100%といえます。
●逆に、あなた一人ではどうにも変えられない状態を「コントロール係数」0%と言います。たとえば、今日の電車が時刻表通り動いているか、お天気はどうか、ドルの為替相場は今後どうなるか、といったことは、あなたの意志や努力ではどうにもなりませんから、「コントロール係数」は0%です。
●100%と0%は比較的わかりやすいのですが、問題はその中間です。
たとえば、以下の文章の~に「コントロール係数」を当てはめてみてください。
・あなたの部下の~は?
・あなたの伴侶の~は?
・あなたの子どもの~は?
・あなたの会社の今期業績の~は?
・10年後のあなたの会社の~は?
●ところで、経営に関することの大半は、これら「コントロール係数」が1%以上100%未満の間にあると言ってもよいでしょう。
●「一寸先は闇」という言葉がありますが、この言葉の本当の意味は「未来は闇のように暗い」という意味ではなく、「未来は闇の中にあるようにわからない」という意味です。
●未来の会社も未来の私も、「闇」の中にあるのは誰にとっても同じなのですが、濃淡のアミがかかっているようなもので、アミ100%の人は文字どおり真っ暗なのです。ですから先のことは皆目見当がつかないはずです。
●濃淡のアミ50%の人は半分くらいは見えるが半分はまったくわからない人。アミ10%の人はかなりよく見える人ということです。
●「コントロール係数」が高い人とはアミが薄い人なのですが、誰もがアミがかかっているという事実には変わりありません。そして、経営という仕事はこのコントロール係数をいかに高めていくかという勝負ではないかと思うのです。さらに言えば、コントロール不可能な出来事への対処能力をいかに高めるか、ということも経営上の大きな課題です。
●「コントロール」とは反対の意味で使われる言葉に、「マネジメント」があります。マネジメントとは、起きてしまった出来事にどれだけ上手に対応できるか、つまり「状況対応力」のことを指すのです。
●言葉の意味を整理すると、以下のようになります。
・コントロール・・・自分の意思で結果を左右できる能力のこと
・マネジメント・・・起きてしまった出来事を受け入れて、そこから最善策を素早くとる 能力のこと
●そこで提案です。経営者としてまず成すべき事は、「コントロール係数」100%の分野に関心を集中させることです。間違っても、「コントロール係数」0%のことに時間やエネルギーを浪費してはなりません。
●もちろん、部下に対しても、同じように指導しましょう。部下も自分でできることに専念しなければならないのです。
●次号では、私たち自身の生産性を高めることに的を絞って、「コントロール係数」の応用方法について考えていきしょう。
●「コントロール係数」が100%とはどのようなことかと言うと、自分一人の力によって思い通りに事態を変えられるということです。たとえば、あなたの行動はあなた一人の意志で動かすことができるでしょう。お昼に何を食べるか、夜は何時に就寝するか、明日の朝は何時に起きるか、などはあなたの自由意志で決められますから、「コントロール係数」は100%といえます。
●逆に、あなた一人ではどうにも変えられない状態を「コントロール係数」0%と言います。たとえば、今日の電車が時刻表通り動いているか、お天気はどうか、ドルの為替相場は今後どうなるか、といったことは、あなたの意志や努力ではどうにもなりませんから、「コントロール係数」は0%です。
●100%と0%は比較的わかりやすいのですが、問題はその中間です。
たとえば、以下の文章の~に「コントロール係数」を当てはめてみてください。
・あなたの部下の~は?
・あなたの伴侶の~は?
・あなたの子どもの~は?
・あなたの会社の今期業績の~は?
・10年後のあなたの会社の~は?
●ところで、経営に関することの大半は、これら「コントロール係数」が1%以上100%未満の間にあると言ってもよいでしょう。
●「一寸先は闇」という言葉がありますが、この言葉の本当の意味は「未来は闇のように暗い」という意味ではなく、「未来は闇の中にあるようにわからない」という意味です。
●未来の会社も未来の私も、「闇」の中にあるのは誰にとっても同じなのですが、濃淡のアミがかかっているようなもので、アミ100%の人は文字どおり真っ暗なのです。ですから先のことは皆目見当がつかないはずです。
●濃淡のアミ50%の人は半分くらいは見えるが半分はまったくわからない人。アミ10%の人はかなりよく見える人ということです。
●「コントロール係数」が高い人とはアミが薄い人なのですが、誰もがアミがかかっているという事実には変わりありません。そして、経営という仕事はこのコントロール係数をいかに高めていくかという勝負ではないかと思うのです。さらに言えば、コントロール不可能な出来事への対処能力をいかに高めるか、ということも経営上の大きな課題です。
●「コントロール」とは反対の意味で使われる言葉に、「マネジメント」があります。マネジメントとは、起きてしまった出来事にどれだけ上手に対応できるか、つまり「状況対応力」のことを指すのです。
●言葉の意味を整理すると、以下のようになります。
・コントロール・・・自分の意思で結果を左右できる能力のこと
・マネジメント・・・起きてしまった出来事を受け入れて、そこから最善策を素早くとる 能力のこと
●そこで提案です。経営者としてまず成すべき事は、「コントロール係数」100%の分野に関心を集中させることです。間違っても、「コントロール係数」0%のことに時間やエネルギーを浪費してはなりません。
●もちろん、部下に対しても、同じように指導しましょう。部下も自分でできることに専念しなければならないのです。
●次号では、私たち自身の生産性を高めることに的を絞って、「コントロール係数」の応用方法について考えていきしょう。
<次号につづく>
ボードメンバープロフィール
武沢 信行氏
1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。
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