武沢信行の「社長の学校・事始め」 | 経営者会報 (社長ブログ)
社長業を極めるためのカリキュラムについて、「日本的経営のリニューアル」という視点から紹介します
客離れ対策
●ある印刷会社の経営者との会話。
武沢:「客離れが目立つようになったという事ですが、理由は何でしょうか?」
社長:「最近は経営者の世代替わりが進んで、以前からうちと取引実績があるにもかかわらず、簡単に他社に乗り換えられてしまう。薄情なもんですよ。」
武沢:「どのような対策をたてておられますか?」
社長:「相手の世代にあわせて、当社も後継者か若い担当者をつけることで対応しています。信頼関係ができるまでには時間がかかりますからね。」
これだけの発想では、少々的はずれの努力と言わねばなりません。
●過去の取引実績が、未来の取引を保証してくれるものではありません。そのことは、この印刷会社の社長も充分承知しています。事実、この会社でも長年のつきあいがあった近所の原材料納入業者を、ネットで見つけた安い業者に切り替えたばかりです。
●仕事における信頼関係とは、担当者同士の人間関係で決まるものではありません。ましてや、社長同士の交友の有無で決まるものでもないのです。仕事の中身で決まります。中身とは、顧客の側からみた満足度や価値なのです。
●私たちは、新しく買ってもらうための努力は一生懸命しますが、それに比べてこれからも買い続けてもらうための努力は軽くなりがちなもの。
●ある保険代理店は、顧客に対して毎年一回、手紙に沿えてレポートを添付しています。そのレポートには、顧客の契約保険の内容と、その保障内容や特長がわかりやすく箇条書きにされています。こうしたフォローのおかげで、顧客は、なんのためにこの保険に入ったのかを再確認でき、契約の更新率が上がるだけでなく、新規の保険購入という面でも実績につながっているといいます。
●また、ある食品販売会社では顧客を工場に招待し、その衛生管理の徹底ぶりや食材へのこだわり、化学物質無添加などを訴えています。バス旅行も兼ねて無料招待しているので、毎月一回のこの企画は絶えず満席だそうです。
●こうした話を講演で話したところ、住宅建材販売の経営者から、こんな質問を受けました。
「当社では社長の人脈だけに頼った客先開拓をしてきて、これといったウリモノがないのです。どうすれば良いのですか?」
そこで、私はこう答えました。
「あなたの会社のウリモノが何なのか、再検討しましょう。できれば、それをお客様の側からみたゴリヤクで表現しましょう」
●最初は社長の人脈で営業できた相手とはいえ、顧客からみれば何らかのゴリヤクがあったはずです。それがあなたの会社の本質的なウリモノなのです。
●マーケティングを成功させる第一のキーワードは、「総合化」と「専門化」。関連製品やサービスや総合化することで顧客満足を高める作戦です。逆に、製品やサービスを特化し、顧客満足を高める作戦もある。名古屋のある印刷会社では何年も前から、「社内報」制作に特化したサービスを展開し、全国から注目を集めています。
●まずは、総合化の道を歩むのか、専門化の道を歩むのかを決めましょう。
●第二のキーワードは、「市場」と「ウリモノ」。第一と第二のキーワードを組み合わせて考えると、4つの選択肢が生まれます。
1.「市場」と「ウリモノ」をともに「総合化」する作戦
2.「市場」と「ウリモノ」をともに「専門化」する作戦
3.「市場」を「総合化」し、「ウリモノ」を「専門化」する作戦
4.「市場」を「専門化」し、「ウリモノ」を「総合化」する作戦
●経営コンサルタントを例にとれば、こうなる。
1.とは、あらゆる業界を対象にしたあらゆるコンサル活動
2.とは、特定業界に向けた特定メニューのコンサル活動
3.とは、あらゆる業界に向けた特定メニューのコンサル活動
4.とは、特定業界に向けたあらゆるコンサル活動
●こうして見てくると、冒頭の印刷会社の対応が的外れであることがおわかりでしょう。そして今、成長している会社は、ウリモノの矛先がしっかりとんがっているのです。
武沢:「客離れが目立つようになったという事ですが、理由は何でしょうか?」
社長:「最近は経営者の世代替わりが進んで、以前からうちと取引実績があるにもかかわらず、簡単に他社に乗り換えられてしまう。薄情なもんですよ。」
武沢:「どのような対策をたてておられますか?」
社長:「相手の世代にあわせて、当社も後継者か若い担当者をつけることで対応しています。信頼関係ができるまでには時間がかかりますからね。」
これだけの発想では、少々的はずれの努力と言わねばなりません。
●過去の取引実績が、未来の取引を保証してくれるものではありません。そのことは、この印刷会社の社長も充分承知しています。事実、この会社でも長年のつきあいがあった近所の原材料納入業者を、ネットで見つけた安い業者に切り替えたばかりです。
●仕事における信頼関係とは、担当者同士の人間関係で決まるものではありません。ましてや、社長同士の交友の有無で決まるものでもないのです。仕事の中身で決まります。中身とは、顧客の側からみた満足度や価値なのです。
●私たちは、新しく買ってもらうための努力は一生懸命しますが、それに比べてこれからも買い続けてもらうための努力は軽くなりがちなもの。
●ある保険代理店は、顧客に対して毎年一回、手紙に沿えてレポートを添付しています。そのレポートには、顧客の契約保険の内容と、その保障内容や特長がわかりやすく箇条書きにされています。こうしたフォローのおかげで、顧客は、なんのためにこの保険に入ったのかを再確認でき、契約の更新率が上がるだけでなく、新規の保険購入という面でも実績につながっているといいます。
●また、ある食品販売会社では顧客を工場に招待し、その衛生管理の徹底ぶりや食材へのこだわり、化学物質無添加などを訴えています。バス旅行も兼ねて無料招待しているので、毎月一回のこの企画は絶えず満席だそうです。
●こうした話を講演で話したところ、住宅建材販売の経営者から、こんな質問を受けました。
「当社では社長の人脈だけに頼った客先開拓をしてきて、これといったウリモノがないのです。どうすれば良いのですか?」
そこで、私はこう答えました。
「あなたの会社のウリモノが何なのか、再検討しましょう。できれば、それをお客様の側からみたゴリヤクで表現しましょう」
●最初は社長の人脈で営業できた相手とはいえ、顧客からみれば何らかのゴリヤクがあったはずです。それがあなたの会社の本質的なウリモノなのです。
●マーケティングを成功させる第一のキーワードは、「総合化」と「専門化」。関連製品やサービスや総合化することで顧客満足を高める作戦です。逆に、製品やサービスを特化し、顧客満足を高める作戦もある。名古屋のある印刷会社では何年も前から、「社内報」制作に特化したサービスを展開し、全国から注目を集めています。
●まずは、総合化の道を歩むのか、専門化の道を歩むのかを決めましょう。
●第二のキーワードは、「市場」と「ウリモノ」。第一と第二のキーワードを組み合わせて考えると、4つの選択肢が生まれます。
1.「市場」と「ウリモノ」をともに「総合化」する作戦
2.「市場」と「ウリモノ」をともに「専門化」する作戦
3.「市場」を「総合化」し、「ウリモノ」を「専門化」する作戦
4.「市場」を「専門化」し、「ウリモノ」を「総合化」する作戦
●経営コンサルタントを例にとれば、こうなる。
1.とは、あらゆる業界を対象にしたあらゆるコンサル活動
2.とは、特定業界に向けた特定メニューのコンサル活動
3.とは、あらゆる業界に向けた特定メニューのコンサル活動
4.とは、特定業界に向けたあらゆるコンサル活動
●こうして見てくると、冒頭の印刷会社の対応が的外れであることがおわかりでしょう。そして今、成長している会社は、ウリモノの矛先がしっかりとんがっているのです。
ボードメンバープロフィール
武沢 信行氏
1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。
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