武沢信行の「社長の学校・事始め」 | 経営者会報 (社長ブログ)
社長業を極めるためのカリキュラムについて、「日本的経営のリニューアル」という視点から紹介します
決断力の本質とは何か
●ソフトバンクの孫さんは、こう語ります。
「インターネットが普及しなかったら、当社はただのは石ころみたいな会社だったでしょうね」
創業時、パソコンソフトの卸売り会社だったソフトバンクは、インターネットの普及で大変身を遂げました。この大変身以降も、孫さんは大胆な決断を何度もしてきたことは、みなさんご存知のとおりです。
●あるとき、経営者が冗談めかして語ってくれました。
「武沢さん、ソフトバンクの孫さんがナスダックジャパンへの出資を決めたときは、たった5分での決断だったそうですよ。やっぱり優れた経営者は決断が早いのですね。それに比べて私は優柔不断でしてねぇ。昼にうどん屋に入ってからも何を注文するか、迷っちゃう時があるのですよ」
私が笑っていると、さらに続けてこう言いました。
「そこで最近、即断即決の訓練をしているんです。座る前に『きつねうどん』と頼んじゃう。結構できるものですね。もちろん昼食に何を食べるかという事くらいなら簡単に即決できるようになるのですが、経営の問題、たとえば人の採用や投資案件などは、なかなか即断できるものではないですね」
●決断は早いに越したことはありませんが、間違った決断ばかりしていては意味がありません。適切なタイミングで正しい決断をすることが必要です。それと同時に、今何を決めるべきかという「問いの正しさ」も必要です。
●そこで、決断力の総合値を公式にしてみました。
決断力=「問いの正しさ」×「決断のタイミング」×「決断の正しさ」
ではないかと思うのです。一つひとつの要素について、チェックしてみましょう。
●「問いの正しさ」
経営会議においてどのような案件が議題にのぼり、討議されるかという段階で、すでに企業間格差がついています。ドラッカーは『現代の経営』の中で、次のように語っています。
「戦略的な意思決定において重要かつ複雑な仕事は、正しい答えを見つけることではない。それは正しい問いを探すことである。間違った問いに対する正しい答えほど、危険とまではいわないまでも、役に立たないものはない」
(以下、中略)
「したがって、意思決定において最初の仕事は、本当の問題を見つけ、それを明らかにすることである。この段階では、いくら時間をかけてもかけすぎるということはない」
つまり、経営における決断力を考えるうえでは、まず決断すべき事柄の選択が正しいことが前提条件なのです。
●「決断のタイミング」
決断すべきタイミングにも賞味期限があります。鮮度がみずみずしいうちに決定しなければ、永久にタイミングを失することすらあります。朝令暮改をおそれず、まず決断し、後から決断のよし悪しを再チェックしても良いのです。まずは、すばやく決断できる癖は身につけておきたいものです。
●3.「決断の正しさ」
決断の正しさは、その結果において証明するしか方法がありません。仮に二者択一の決断の場合、どちらか一方を決めるしかなく、残った一方の結果がどうであったかは知るよしもないのです。自分の決断が正しかったかどうかは客観的にはわからないもの。大切なことは、決断する前の段階で、成功と失敗の定義をしておくことです。
私は、7割の満足度が得られれば大成功だと思います。なぜなら、プロの世界におけるに次の勝率をみれば一目瞭然でしょう。
◇プロ将棋・・・年間約70の対局で勝率7割で一流
◇プロ野球・・・年間135試合で勝率6割で優勝
◇プロ野球の投手・・・バッターに対して勝率7割5分以上で一流
◇大相撲横綱の勝率・・・8割以上の勝率で一流
●賢明な経営者ならば、決断の勝率が5割を切ることはまずありません。それならば、理論的に考えて決断の数が多いほど有利になるという計算が働くでしょう。
プロスポーツでは、年間の試合数が決められていますが、経営では決断すべき数に制限はないのです。よって決断の勝率にこだわるのでなく、決断の勝数を重視しましょう。
●決断力が鈍いと感じているあなた、うどん屋での即断即決訓練も楽しいと思いますが、いかがでしょうか?
「インターネットが普及しなかったら、当社はただのは石ころみたいな会社だったでしょうね」
創業時、パソコンソフトの卸売り会社だったソフトバンクは、インターネットの普及で大変身を遂げました。この大変身以降も、孫さんは大胆な決断を何度もしてきたことは、みなさんご存知のとおりです。
●あるとき、経営者が冗談めかして語ってくれました。
「武沢さん、ソフトバンクの孫さんがナスダックジャパンへの出資を決めたときは、たった5分での決断だったそうですよ。やっぱり優れた経営者は決断が早いのですね。それに比べて私は優柔不断でしてねぇ。昼にうどん屋に入ってからも何を注文するか、迷っちゃう時があるのですよ」
私が笑っていると、さらに続けてこう言いました。
「そこで最近、即断即決の訓練をしているんです。座る前に『きつねうどん』と頼んじゃう。結構できるものですね。もちろん昼食に何を食べるかという事くらいなら簡単に即決できるようになるのですが、経営の問題、たとえば人の採用や投資案件などは、なかなか即断できるものではないですね」
●決断は早いに越したことはありませんが、間違った決断ばかりしていては意味がありません。適切なタイミングで正しい決断をすることが必要です。それと同時に、今何を決めるべきかという「問いの正しさ」も必要です。
●そこで、決断力の総合値を公式にしてみました。
決断力=「問いの正しさ」×「決断のタイミング」×「決断の正しさ」
ではないかと思うのです。一つひとつの要素について、チェックしてみましょう。
●「問いの正しさ」
経営会議においてどのような案件が議題にのぼり、討議されるかという段階で、すでに企業間格差がついています。ドラッカーは『現代の経営』の中で、次のように語っています。
「戦略的な意思決定において重要かつ複雑な仕事は、正しい答えを見つけることではない。それは正しい問いを探すことである。間違った問いに対する正しい答えほど、危険とまではいわないまでも、役に立たないものはない」
(以下、中略)
「したがって、意思決定において最初の仕事は、本当の問題を見つけ、それを明らかにすることである。この段階では、いくら時間をかけてもかけすぎるということはない」
つまり、経営における決断力を考えるうえでは、まず決断すべき事柄の選択が正しいことが前提条件なのです。
●「決断のタイミング」
決断すべきタイミングにも賞味期限があります。鮮度がみずみずしいうちに決定しなければ、永久にタイミングを失することすらあります。朝令暮改をおそれず、まず決断し、後から決断のよし悪しを再チェックしても良いのです。まずは、すばやく決断できる癖は身につけておきたいものです。
●3.「決断の正しさ」
決断の正しさは、その結果において証明するしか方法がありません。仮に二者択一の決断の場合、どちらか一方を決めるしかなく、残った一方の結果がどうであったかは知るよしもないのです。自分の決断が正しかったかどうかは客観的にはわからないもの。大切なことは、決断する前の段階で、成功と失敗の定義をしておくことです。
私は、7割の満足度が得られれば大成功だと思います。なぜなら、プロの世界におけるに次の勝率をみれば一目瞭然でしょう。
◇プロ将棋・・・年間約70の対局で勝率7割で一流
◇プロ野球・・・年間135試合で勝率6割で優勝
◇プロ野球の投手・・・バッターに対して勝率7割5分以上で一流
◇大相撲横綱の勝率・・・8割以上の勝率で一流
●賢明な経営者ならば、決断の勝率が5割を切ることはまずありません。それならば、理論的に考えて決断の数が多いほど有利になるという計算が働くでしょう。
プロスポーツでは、年間の試合数が決められていますが、経営では決断すべき数に制限はないのです。よって決断の勝率にこだわるのでなく、決断の勝数を重視しましょう。
●決断力が鈍いと感じているあなた、うどん屋での即断即決訓練も楽しいと思いますが、いかがでしょうか?
ボードメンバープロフィール
武沢 信行氏
1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。
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