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禁止・抑制・義務

投稿日時:2007/07/13(金) 17:56rss

●先日、私のメタボを見かねた友人が、『BOOCSダイエット』という本を贈ってくれました。その中には従来のダイエット法とは違って、大脳に直接アプローチして脳を癒すことで肥満を解消する、といった内容が書いてありました。その根底にある2つの原理と3つのルールがなかなかユニークなので、ご紹介しましょう。

○2つの原理
・自分の嫌いなことをしない(禁止・禁止の原則)
・自分にとって快いことをする(快の原則)

○3つのルール
・たとえ健康によいことであっても、嫌いなことは決してしない
・たとえ健康によくないことでも、好きでたまらない場合は、とりあえず禁止しない
・自分にとって快く、かつ健康によいことをする

●さらに本文には、
「これを踏まえて1日に1食は好きなものを好きなだけ食べてもOKです。我慢して苦しい思いをせずに、食べる楽しさや食事のおいしさを満喫しながら、ダイエットによるストレスを減らし、自然とやせるカラダを手に入れましょう」とありました。

●意志の力よりも数倍強い、本能の力を味方に引き入れることで、ダイエットしようという作戦なのですが、これらの原理・ルールは、経営や人生に積極的に応用するべきでしょう。
●私たちは失敗しないために努力するのではなく、成功するために努力するのです。「○○したい」という内的な欲求があるからこそがんばれるのであって、決して「××したくない」という恐怖感や外的要求に屈してがんばるのではありません。

●先日、『2007年版新規開業白書』を見ていたら、すこし気になるデータがありました。「開業にふみきった直接のきっかけは?」という問いに対する回答内容だったのですが、そのなかで第一位の理由(20.4%)は、「勤務先に不満・不安があったから」というものでした。

●「○○したい」という積極的な理由ではなく、「このままでは不満や不安があるから」という消極的な理由で開業する人がトップであるということに対し、懸念せざるを得ません。

●もしかすると、背景には団塊の世代をはじめとする中高年が、一気に定年をむかえるという事情があるのかもしれません。ですが、「年金だけでは足りないから、やむなく開業した」というネガティブな理由では、開業してもうまくいきません。「○○したいから開業した」というポジティブな方向に自らを変えていく必要があります。

●経営者も同じです。事業計画書や経営方針書を毎年作るのは、「○○したい」という目的や目標を、いつも最新の状態に保つためです。冒頭のダイエットの原理と同じく、あなたの本能の力を味方にするような、モチベーション管理を行う必要があるでしょう。

●BOOCSダイエットの本には、「××したくない」「△△せねばならない」という禁止や抑制、義務感がたくさんある毎日を送っていると、「脳疲労」という現象を起こす、とありました。大切なのは、自分に厳しいだけではなく、時には脳に優しくしてあげることなのです。

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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