武沢信行の「社長の学校・事始め」 | 経営者会報 (社長ブログ)
社長業を極めるためのカリキュラムについて、「日本的経営のリニューアル」という視点から紹介します
中小企業こそブランディングを
●これまで、ある地域で店舗を運営する場合は、トップシェア(地域一番店)になることが至上命題とされました。というのは、商圏内のトップシェアをとるか、二番手に甘んじるかによって利益構造がまるで違ってしまうからです。
●たとえば、衣料品販売店でポロシャツを売る場合、地域一番店なら売れ筋である白のMサイズとLサイズをドーンと積んでおけばまずは大丈夫でした。しかし、二番店になってしまうとLLサイズやSサイズを充実させるといった、売れ筋とは少し離れた品揃えで勝負していくしかありません。逆に、どうしてもMサイズやLサイズを扱いたいときは、一番店より安く売るか、人気のない他の色を揃えるしかなかったのです。
●しかし、これは世の中に生活必需品やファッションアイテムなどが不足していた、20世紀までの経営です。年号が平成になってから20年になろうかという今日では、顧客の家には生活必需品もファッションアイテムも何でも揃っています。当然、ポロシャツも「白のMサイズ」といった絶対的な売れ筋は存在しなくなっており、各メーカーは個性やスタイルの違いを打ちだすことに躍起になっています。
●そのようなとき、自分のスタイルを既に確立していたり、あるいはこれから確立したいと思っている顧客が選ぶのは、強烈でわかりやすい個性の会社です。
●経営者の視点でみたときに目標とすべきは、顧客と自社をよく理解し、製品・サービスと顧客のニーズを一致させることで、勝手に売れていってしまうようにすることです。本当の販売力強化というのはそのような意味であり、要らないと思っている人に言葉巧みに押しつけるようにして販売することではありません。
●あなたが欲しくても、なかなか手に入らない商品を思い浮かべてください。あるいは、予約したくてもなかなかできない、あこがれの店や舞台などでもいいでしょう。
●イタリアの経営者で「プラダ」の会長兼CEOのパトリツィオ・ベルテッリをご存じでしょうか。3代目オーナーとして彼が経営権を握ってから、プラダはにわかによみがえり彼自身もカリスマ経営者と認識されるようになりました。
●彼の言葉に、「市場の動向や消費者の好みに合わせた商品を送り出すのは、敗者のやり方だ」というものがあります。革製品が主流だった時代、プラダは女性用の黒いナイロンバッグを発表しました。
●ともすればお葬式をイメージさせるこの商品は、『創業者マリオへの侮辱』と陰口をたたかれましたが、結果的に女性の心をつかみ大ヒット。それ以降、他のブランドも次々とナイロンバッグを投入しましたが、そのどれもが成功していません。
●特に最近、似通った高級ブランド品が数多くリリースされていますが、それは冒頭にあげた「白色のMサイズ」のような、売れ筋の模範解答に無意識のうちに影響されているからです。市場調査するのは結構です。しかし調査の目的は、顧客に迎合したり競合他社をまねるために行なうのではなく、自社の主張を市場に浸透させるためだと気づかねばなりません。
●このようなブランディングは、世界的高級ブランドや大企業だけの専売特許ではありません。規模的には小さくても、一部の顧客からは熱狂的に支持されるブランドがもっとたくさんあっても良いはずなのです。
●私の自宅は名古屋にありますが、名古屋=トヨタではなく、トンカツのお店や味噌煮込みうどんのお店、手羽先のお店やうなぎ料理のお店などで地元ファンのブランドになっているところがたくさんあります。
●個人や中小企業もブランド化すべきであり、その第一歩は、経営理念や経営哲学など、明確なビジョンを設定することです。それを社員と共有し、毎年自社ブランドの山頂めがけてアタックをくり返すことが必要なのです。
●たとえば、衣料品販売店でポロシャツを売る場合、地域一番店なら売れ筋である白のMサイズとLサイズをドーンと積んでおけばまずは大丈夫でした。しかし、二番店になってしまうとLLサイズやSサイズを充実させるといった、売れ筋とは少し離れた品揃えで勝負していくしかありません。逆に、どうしてもMサイズやLサイズを扱いたいときは、一番店より安く売るか、人気のない他の色を揃えるしかなかったのです。
●しかし、これは世の中に生活必需品やファッションアイテムなどが不足していた、20世紀までの経営です。年号が平成になってから20年になろうかという今日では、顧客の家には生活必需品もファッションアイテムも何でも揃っています。当然、ポロシャツも「白のMサイズ」といった絶対的な売れ筋は存在しなくなっており、各メーカーは個性やスタイルの違いを打ちだすことに躍起になっています。
●そのようなとき、自分のスタイルを既に確立していたり、あるいはこれから確立したいと思っている顧客が選ぶのは、強烈でわかりやすい個性の会社です。
●経営者の視点でみたときに目標とすべきは、顧客と自社をよく理解し、製品・サービスと顧客のニーズを一致させることで、勝手に売れていってしまうようにすることです。本当の販売力強化というのはそのような意味であり、要らないと思っている人に言葉巧みに押しつけるようにして販売することではありません。
●あなたが欲しくても、なかなか手に入らない商品を思い浮かべてください。あるいは、予約したくてもなかなかできない、あこがれの店や舞台などでもいいでしょう。
●イタリアの経営者で「プラダ」の会長兼CEOのパトリツィオ・ベルテッリをご存じでしょうか。3代目オーナーとして彼が経営権を握ってから、プラダはにわかによみがえり彼自身もカリスマ経営者と認識されるようになりました。
●彼の言葉に、「市場の動向や消費者の好みに合わせた商品を送り出すのは、敗者のやり方だ」というものがあります。革製品が主流だった時代、プラダは女性用の黒いナイロンバッグを発表しました。
●ともすればお葬式をイメージさせるこの商品は、『創業者マリオへの侮辱』と陰口をたたかれましたが、結果的に女性の心をつかみ大ヒット。それ以降、他のブランドも次々とナイロンバッグを投入しましたが、そのどれもが成功していません。
●特に最近、似通った高級ブランド品が数多くリリースされていますが、それは冒頭にあげた「白色のMサイズ」のような、売れ筋の模範解答に無意識のうちに影響されているからです。市場調査するのは結構です。しかし調査の目的は、顧客に迎合したり競合他社をまねるために行なうのではなく、自社の主張を市場に浸透させるためだと気づかねばなりません。
●このようなブランディングは、世界的高級ブランドや大企業だけの専売特許ではありません。規模的には小さくても、一部の顧客からは熱狂的に支持されるブランドがもっとたくさんあっても良いはずなのです。
●私の自宅は名古屋にありますが、名古屋=トヨタではなく、トンカツのお店や味噌煮込みうどんのお店、手羽先のお店やうなぎ料理のお店などで地元ファンのブランドになっているところがたくさんあります。
●個人や中小企業もブランド化すべきであり、その第一歩は、経営理念や経営哲学など、明確なビジョンを設定することです。それを社員と共有し、毎年自社ブランドの山頂めがけてアタックをくり返すことが必要なのです。
ボードメンバープロフィール
武沢 信行氏
1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。
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