武沢信行の「社長の学校・事始め」 | 経営者会報 (社長ブログ)
社長業を極めるためのカリキュラムについて、「日本的経営のリニューアル」という視点から紹介します
メンツを捨てるとき
●経営者としてのメンツ(面目、体面)にこだわるのは結構なことですが、あまり意識し過ぎると大胆さに欠けてしまい、行動が起こせなくなります。
●先日、起業準備中のサラリーマンが集まる場で講演する機会がありました。会場には多くの若者に混じって、団塊の世代とみられる方も散見されました。講演が終了し、事務局が回収した質問シートをみると、次のような質問が多く寄せられていました。
●「起業するタイミングを計っているのですが、どのような条件が揃えば成功確率を高められるのでしょうか? やっぱりある程度の資金を確保しておかないと、リスクは大きいのでしょうか?」
「私はAという新事業のアイデアをずっと温めてきたのですが、なかなか自分に対してゴーサインが出せません。『ノウハウが充分に備わっていない』と自己分析しているのですが、多少見切り発車してもうまくいくものでしょうか?」
いずれもタイミングに関するご質問でした。
●私はこうした質問を受けると、「勇気」という単語を真っ先に思いうかべます。辞書をひくと、勇気とは「何ものをも恐れない強い意気」と書かれています。現実には、恐れない経営者というのをこれまで見たことがありません。ですが、みな「恐い」という気持ちを乗り越えられるような「勇気」をもっている方ばかりでした。
●起業や新規事業を起こすとき、なぜ「恐い」という気持ちになるのかというと、未知のことに一歩を踏み出すからです。仮に失敗に終わった場合、「資金がなくなるのではないか」「世間や周囲から笑われたりするのではないか」「家族に迷惑をかけはしまいか」など、誰しもその後に起こるであろう周囲の反応を心配してしまいます。
●しかし、このようなメンツを気にする迷いには、いくら時間をかけても結論はでません。打開策はただ一つ、メンツを捨てるしかないのです。
●人は誰しも、自分の体面を傷つけられることを恐れがちです。しかし、あまりにこだわり過ぎると次のように考えてしまいます。
・計画通りに事を運び、カッコ良く成功したい
・みじめな姿は見られたくない
・変なヤツだと思われたくない…etc.
●そんな自尊心はあえて捨てるべきです。
・自分はかっこ悪く、たとえ泥水をすすってでも生きる
・私に失敗はない。なぜなら、何があっても絶対に諦めないからである
・私は"七転び八起き"ならぬ、"百転び百一起き"してみせる…etc.
といった考え方をチョイスするくらいでいいのです。
●歴史を見ても、一度も失敗したのない、やることすべてが成功していたという人はいません。釈迦も孔子もキリストも、生きている間は乞食同然の生活をして、外からみれば格好悪かったではないですか。個人生活でもビジネスでも、挑戦した結果として残るのは、達成の記録であって失敗の残骸ではないのです。
●ユニクロが野菜事業に失敗し撤退を決めたとき、柳井社長は次のように言いました。
「当社の野菜事業が失敗した理由を振り返ってみれば、ノウハウも人材も資金も揃っていたからだ」
何とも皮肉で、含蓄のある言葉ではありませんか。
●「無い無いづくしの状態からでも成功してみせるといった勇気さえあれば、それだけを頼りに多少見切り発車しても大丈夫」と私は思います。そのためには、まずメンツを捨てることからはじめましょう。
●先日、起業準備中のサラリーマンが集まる場で講演する機会がありました。会場には多くの若者に混じって、団塊の世代とみられる方も散見されました。講演が終了し、事務局が回収した質問シートをみると、次のような質問が多く寄せられていました。
●「起業するタイミングを計っているのですが、どのような条件が揃えば成功確率を高められるのでしょうか? やっぱりある程度の資金を確保しておかないと、リスクは大きいのでしょうか?」
「私はAという新事業のアイデアをずっと温めてきたのですが、なかなか自分に対してゴーサインが出せません。『ノウハウが充分に備わっていない』と自己分析しているのですが、多少見切り発車してもうまくいくものでしょうか?」
いずれもタイミングに関するご質問でした。
●私はこうした質問を受けると、「勇気」という単語を真っ先に思いうかべます。辞書をひくと、勇気とは「何ものをも恐れない強い意気」と書かれています。現実には、恐れない経営者というのをこれまで見たことがありません。ですが、みな「恐い」という気持ちを乗り越えられるような「勇気」をもっている方ばかりでした。
●起業や新規事業を起こすとき、なぜ「恐い」という気持ちになるのかというと、未知のことに一歩を踏み出すからです。仮に失敗に終わった場合、「資金がなくなるのではないか」「世間や周囲から笑われたりするのではないか」「家族に迷惑をかけはしまいか」など、誰しもその後に起こるであろう周囲の反応を心配してしまいます。
●しかし、このようなメンツを気にする迷いには、いくら時間をかけても結論はでません。打開策はただ一つ、メンツを捨てるしかないのです。
●人は誰しも、自分の体面を傷つけられることを恐れがちです。しかし、あまりにこだわり過ぎると次のように考えてしまいます。
・計画通りに事を運び、カッコ良く成功したい
・みじめな姿は見られたくない
・変なヤツだと思われたくない…etc.
●そんな自尊心はあえて捨てるべきです。
・自分はかっこ悪く、たとえ泥水をすすってでも生きる
・私に失敗はない。なぜなら、何があっても絶対に諦めないからである
・私は"七転び八起き"ならぬ、"百転び百一起き"してみせる…etc.
といった考え方をチョイスするくらいでいいのです。
●歴史を見ても、一度も失敗したのない、やることすべてが成功していたという人はいません。釈迦も孔子もキリストも、生きている間は乞食同然の生活をして、外からみれば格好悪かったではないですか。個人生活でもビジネスでも、挑戦した結果として残るのは、達成の記録であって失敗の残骸ではないのです。
●ユニクロが野菜事業に失敗し撤退を決めたとき、柳井社長は次のように言いました。
「当社の野菜事業が失敗した理由を振り返ってみれば、ノウハウも人材も資金も揃っていたからだ」
何とも皮肉で、含蓄のある言葉ではありませんか。
●「無い無いづくしの状態からでも成功してみせるといった勇気さえあれば、それだけを頼りに多少見切り発車しても大丈夫」と私は思います。そのためには、まずメンツを捨てることからはじめましょう。
ボードメンバープロフィール
武沢 信行氏
1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。
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