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掛け替えのない存在になる

投稿日時:2008/11/28(金) 18:43rss

人は「いけない」と言われたことはやりたくなるものです。聖書には、イブが神から唯一禁止されていた禁断の果実を口にしたと書かれていますし、プラトンは少年時代、「禁じられていることをするのがかえって面白かった」という理由で梨を盗んだりしました。私も「のぞくな!」と書かれた壁の穴はのぞきたくなります。

●禁止されていることを守るのは、人間にとってなかなか困難なことです。ところが、ビジネスでは禁止されている事柄がたくさんあります。遅刻厳禁、納期に遅れてはいけない、ウソはつくな……etc.

●私たちは悪いことをしないために生まれてきたのではなく、なにか意味あることをするために生まれてきたはずです。なのに世間では、「悪いことはするな」と強調こそすれ、「何か意味あることをしろ」とはあまり言いません。

大切なのは消極的禁欲ではなく、積極的禁欲です。言いかえれば、行動的かつ能動的な目標が必要なのだということです
●初対面の人から信用され、評価され、やがて掛け替え(かけがえ)のない人物として扱われるために、人はどのようなプロセスをたどるでしょうか。たしかに、時間を守ることやマナーの遵守など、悪いことをしないのは大切ですが、それは必要条件であっても十分条件ではありません。

大きく分けると、
1.不安・不信・不満・不快を与えない。
2.期待に応えつづける
3.期待を上回りつづける

この三段階を経ていくものだと思います。

●まずは悪いことをしない人だという印象をあたえてから、善いことを行う人なんだという印象を経て、最終的に他には替えられない人なのだという立場になるのです。

悪いことをしないのは第一ステップにすぎず、その先が大切です。それは、どのように良いことをしてくれる人なのかが相手に伝わることなのです。これは個人でも企業でもまったく同じことではないでしょうか。

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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