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脳は違う状況を欲する

投稿日時:2009/06/26(金) 18:51rss

●中国の故事に、「男子三日会わざれば刮目(かつもく)して相待つべし」というのがあります。三日も会っていないと、男子たるもの「お前があのときの武沢か?」と、相手が目をこすって確認するくらいに成長しているべきだという意味です。

1か月ぶりに会っても半年ぶりに会っても前と顔つきが変わらず、話す内容も前と同じようなことしか口にできないようでは、ビジネスリーダーたる資格がありません

●大阪で30名ほどの建材卸業を営む山田会長(仮名)という方がいます。彼は、「人間、生涯が学習や。まだまだ若いモンにはまかせておけへん。来年でワシも60歳になるが、今からもう一度大学生として学校へ通うんや」と言い、二年間学生として毎週土曜日に学校に通う決心をしました。

●山田さんは去年、社長職を譲って会長に退いたのですが、ヒマができたから学校通いを決意したのではありません。建設関連の知識をブラッシュアップし、卒業後2年以内に新会社を設立するという将来の計画のためです。

●意気軒昂というか、この心がけが素晴らしいではありませんか。山田会長は、常にこうした新しいプロジェクトを抱えているから魅力的に映るのでしょう。

●体は加齢とともに衰えますが、脳だけは年齢に関係なく、鍛えれば鍛えるほど成長することがわかっています。しかも、脳は同じことの繰り返しだと活動が停滞していきますが、新しい状況を与えてあげることで活性化するそうです
●『図解 頭がよくなる、朝10分の習慣』(川島隆太著、PHP研究所)によると、脳の鍛え方は単純な“読み書き計算”で充分とのことです。同書より、私が“なるほど”とうなった箇所をご紹介しましょう。

●この本を読んでまずビックリしたことは、ワクワク楽しみながら頭を使っているほうが脳のためにも良いことだと思っていましたが、そうではないらしいのです。

●ワクワクやっていようが淡々とやっていようが関係なく、たとえば、単純な計算を10分程度やりさえすれば脳は著しく活性化し始めることがわかっています。この本にある実験では、テレビゲームを楽しんでいるときの脳の活性度と、単純なクレペリン検査(足し算を使った性格検査)のときの脳とを比較した結果、単純計算に分があったことを報告しています。

●同じように、10分間の読書(特に音読)やメモを取ることによって脳の活性度が高まることを証明しています。とくに大脳の活性度が高い午前中こそが、もっとも読み書き計算にふさわしい時間帯だというのです。

●また、トランプゲームで連勝したり連敗したりしても脳の活性度は変わらないが、連敗していたときに、そこから脱出する1勝をあげたりすると、にわかに脳は活性化し出すといいます。

●もう一度確認します。

「脳に刺激を与えましょう」

そのためには、読み書き計算が一番。具体的には、

・毎朝10分間の音読
どうせなら積極的でやる気が生まれるような本を読み、自社や自分の目標も朗々と音読しましょう。ただし、目標などはワンパターンにならないよう、ときどき内容を書き換えるといいでしょう。

・毎朝、目標や計画・アイデアなどを紙に書こう

●このように脳を活性化させ、新しい目標や計画を考えることで、ブレイクスルーできるすばらしいアイデアがいくつか出てくると思います。「脳はいつもと違う状況を欲している」ということを忘れずにいたいものです

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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