武沢信行の「社長の学校・事始め」 | 経営者会報 (社長ブログ)
社長業を極めるためのカリキュラムについて、「日本的経営のリニューアル」という視点から紹介します
喜怒哀楽の共有
●名古屋で冠婚葬祭センターを営んでいるA社長と会ったときのことです。
A:「武沢さん、ちょっと相談があるのですが・・」
武:「何でしょう」
A:「会社の方針や目標を社員に浸透させる方法がわからない。
いろいろ手を尽くしているのですが、浸透していかない」
武:「もう少し詳しくお聞かせください」
●A社長の悩みは次のようなものでした。
・・・
毎年、決算期にあわせて方針書を作っているのだが、ときには2~3日社長室に閉じこもることもある。
そうして作った方針を発表し、その後も社内報や社内ネットを用いて繰り返し伝えているのだが、新しく決めたことが実行されることはめったになく、毎年変わりばえがしないまま終わってしまう。
「目標の浸透」というのか「目標の共有」というのか、表現はともあれ、会社全体が一体感をもって動いていくような経営をしたい。
・・・
●こうした経営上の課題をもっている会社は多いようですが、上意下達の意識だけでは、「目標を共有する」企業文化は生まれません。「共有すべきものは目標だけではない。まずその前に共有すべきものがある」というのが私の考えで、それには4つの段階があります。
●最初に試みるべきは、「事実の共有」です。
「事実の共有」なんて、決算書や報告書を公表さえすればそれで終わり、などと思わないでください。日々の出来事やそれに伴う感想、そして、ありのままの現実を共有し、そこから一歩進んで問題を共有するということが、「事実の共有」なのです。
●そのためには、ネットやメールに頼るまえに、まず顔をつきあわせましょう。報告だけの会議なんて無用、と会議を廃止する前に、フランクに事実を交換しあう場を作るのです。雑談でも朝礼でもいいので、こうしたことを普段から行なうのが第一歩ではないでしょうか。
●次に必要なのは「価値の共有」です。
すでに価値観や使命、ミッションなどが決まっている会社は、それをトコトン社員の意識に刷り込んでいきましょう。ジョンソン&ジョンソン社の「我が信条」のように、大切なものを順位づけしていくのも効果的です。
★我が信条:http://www.jnj.co.jp/group/community/credo/index.html
一方、まだ価値観などが決まっていない会社では、社員との対話の中でそれを成文化していけばいいでしょう。
●3番目にくるのが「目的や目標の共有」です。
努力と奮闘の結果、どのようなゴールが期待できるのか。また、どのような面白いストーリーで自分たちの道を歩もうとしているのかを語り合いましょう。
●そして最後が「結果の共有」です。
結果を厳粛に受け止め、良い結果の場合は勝利の美酒を、悪い結果の場合は苦い冷や水を飲み明かし、改めて、最初の「事実の共有」というスタートラインに戻っていくのです。
1.事実の共有
2.価値の共有
3.目的・目標の共有
4.結果の共有
↓
1.事実の共有
・
・
このサイクルをくり返すことで、企業文化が発展していくのです。
A:「武沢さん、ちょっと相談があるのですが・・」
武:「何でしょう」
A:「会社の方針や目標を社員に浸透させる方法がわからない。
いろいろ手を尽くしているのですが、浸透していかない」
武:「もう少し詳しくお聞かせください」
●A社長の悩みは次のようなものでした。
・・・
毎年、決算期にあわせて方針書を作っているのだが、ときには2~3日社長室に閉じこもることもある。
そうして作った方針を発表し、その後も社内報や社内ネットを用いて繰り返し伝えているのだが、新しく決めたことが実行されることはめったになく、毎年変わりばえがしないまま終わってしまう。
「目標の浸透」というのか「目標の共有」というのか、表現はともあれ、会社全体が一体感をもって動いていくような経営をしたい。
・・・
●こうした経営上の課題をもっている会社は多いようですが、上意下達の意識だけでは、「目標を共有する」企業文化は生まれません。「共有すべきものは目標だけではない。まずその前に共有すべきものがある」というのが私の考えで、それには4つの段階があります。
●最初に試みるべきは、「事実の共有」です。
「事実の共有」なんて、決算書や報告書を公表さえすればそれで終わり、などと思わないでください。日々の出来事やそれに伴う感想、そして、ありのままの現実を共有し、そこから一歩進んで問題を共有するということが、「事実の共有」なのです。
●そのためには、ネットやメールに頼るまえに、まず顔をつきあわせましょう。報告だけの会議なんて無用、と会議を廃止する前に、フランクに事実を交換しあう場を作るのです。雑談でも朝礼でもいいので、こうしたことを普段から行なうのが第一歩ではないでしょうか。
●次に必要なのは「価値の共有」です。
すでに価値観や使命、ミッションなどが決まっている会社は、それをトコトン社員の意識に刷り込んでいきましょう。ジョンソン&ジョンソン社の「我が信条」のように、大切なものを順位づけしていくのも効果的です。
★我が信条:http://www.jnj.co.jp/group/community/credo/index.html
一方、まだ価値観などが決まっていない会社では、社員との対話の中でそれを成文化していけばいいでしょう。
●3番目にくるのが「目的や目標の共有」です。
努力と奮闘の結果、どのようなゴールが期待できるのか。また、どのような面白いストーリーで自分たちの道を歩もうとしているのかを語り合いましょう。
●そして最後が「結果の共有」です。
結果を厳粛に受け止め、良い結果の場合は勝利の美酒を、悪い結果の場合は苦い冷や水を飲み明かし、改めて、最初の「事実の共有」というスタートラインに戻っていくのです。
1.事実の共有
2.価値の共有
3.目的・目標の共有
4.結果の共有
↓
1.事実の共有
・
・
このサイクルをくり返すことで、企業文化が発展していくのです。
ボードメンバープロフィール
武沢 信行氏
1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。
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