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最小限が最大限に

投稿日時:2010/03/19(金) 14:55rss

●息子の友人が以前、名古屋の人気ラーメン店でアルバイトしていました。仮にA君にしておきましょう。あるとき、A君からこんな話を聞きました。

初出勤の日のこと。
さすが人気店だけあって、ランチタイムは嵐のような大混雑だったそうです。ピーク時には外に行列が30人ほど出来たと言います。しかし、午後2時を過ぎるとさすがに外の行列が途絶えました。

●ホッと一息ついたA君に対し、店長が皿洗いを命じました。
「はい、わかりました」と元気よく洗いものを始めたA君。店内外の様子や他のスタッフの仕事ぶりをチラチラみながら洗いものをしていると、店長が大声で怒鳴りました。
「こらA、チンタラ洗ってるんじゃない。全力かつ大急ぎで洗え!」

●その後、休憩時間に店長からこんな説明を受けたそうです。

店内の忙しさにあわせて仕事を調整するんじゃない。そんな高等判断を新人アルバイトに求めてなんかいない。君に要求したいことはただひとつ、いつも全身全霊で目の前の仕事を集中し、一気に片付けろ。さっきのおまえの皿洗いは、まわりの様子を見ながら心ここにあらずという状態でやっているのがすぐ分かった」
●A君は謝りながらも、言い訳しました。

「店長、すいませんでした。でも、もし全力で皿洗いをして洗うものがなくなってしまったら、やることがなくなってヒマになります。僕だけやることがなくなるのが嫌だったのでそうしました」

すると店長は言いました。
おまえをヒマにしないのが俺の仕事だ。もし本当にヒマになれば、"休憩"という指示を出す。大切なことは、ダラダラした仕事ぶりを体にしみこませないことなんだ。それがしみこんじゃうと、本当に忙しくなったとき、最高速に戻すのが大変なんだ。焼きが回ると鈍るんだよ。だから普段から最高速で仕事をして、少しでもたくさんの仕事をこなせるようにして、おまえをこの店で使える人間にするんだ。それが俺の仕事だ

●自己啓発教材のSMIを創ったポールマイヤー氏は、「あなたが今日行う必要最小限のことは、やがてあなたが出来る最大限のことになる」と述べています。
毎日、必要最小限のことしかやっていないと、やがてそれが最大限の仕事になってしまうというのです。

部下には時間調整などさせず、たえず全力で仕事をさせましょう。それが上司の役目だと思います

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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