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辞令を自分で書く

投稿日時:2010/08/13(金) 12:49rss

●甲子園で全国高校野球大会が始まりました。この大会からも将来、プロ野球で活躍しファンに夢を与える選手が出てくるのでしょう。プロの世界で活躍し続けるためには、素質の良さに加えて、それに磨きをかけるための練習が好きな選手でないと通用しません。
そこを見抜くのもスカウトマンの腕のみせどころ。


●ファスナー大手・YKKの創業者・吉田忠雄氏(1908~1993)は、晩年になってからも「私は人を見る目がない」と周囲に語っていました。なぜなら、お世話になった方から推薦状までもらって鳴り物入りで入社した優秀な学生がパッとしないままサラリーマン人生を終えていくのを何人も見てきたからだそうです。その反対に、入社当時はまったく目立たなかった若者が、やがてグイグイと頭角を現し会社の大黒柱になっていく。そうした実例を何度も見てきた吉田氏は、「私は人を見る目がない」というのです。


●たしかに人の評価ほどあてにならないものはなく、吉田氏は一般的な人事考課制度にも疑問をもっていたほど、人が人を評価することはあてにならないと思っていたそうです。
ですから、相手がまだ若くて未成熟な段階で「君こそ将来の役員だ」とか、「君に将来社長をまかせたい」などと甘いことを言うのは危険なことです。


●辞令は人事部がつくるものではなく、「辞令は自分で書くものだ」とも語る吉田氏。
YKKでも、自ら「ロンドン支店へ行かせてほしい」と積極的にアピールしてくるような人材は、たとえ能力が70しかなくても空きポストが出たらロンドンに行かせるようにしてきたそうです。仮に能力が100あっても、渋々ロンドンに行くようでは大した仕事をしてくれないというのです。サラリーマンも自分の辞令は自分で書きなさいということなのでしょう。


●プロ野球選手でもサラリーマンでも、持って生まれた能力や素質を超えるためには、情熱や工夫や知恵が必要です。それさえあれば、いくらでも自分の辞令を自分で書くことができるのです。
あなたは今、どんな辞令を自分のために書きますか?

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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