武沢信行の「社長の学校・事始め」 | 経営者会報 (社長ブログ)
社長業を極めるためのカリキュラムについて、「日本的経営のリニューアル」という視点から紹介します
変わる経営理念
●その日、私はA社長にむかって少し強い口調でこう申し上げました。
「もう逃げるのはやめましょう。今作ってください。今です。今、この場で作ることができますから、やってみましょう!」と。
A社長は「経営理念を作りたい。そして、中長期の経営ビジョンもまとめ上げたい」ということで、私が主催するセミナーに参加されました。
●複数回にわたって経営理念の作り方をご説明し、そのための書式も差し上げました。でも二ヶ月たった、そのときになっても理念が一行も出来ていないというのです。
その理由は「あと延ばし」の誘惑に負けているからではないでしょうか。
経営理念を教科書的に理解すると金縛りにあってしまい、結局「あと延ばし」してしまいます。
●教科書いわく、「経営理念は未来永劫変わらないもので、それこそ社長が何世代も代替わりしようとも変わらない我社の根本的価値観と理想を文章にしたもの」
今までそれに近いものが何もなかったのに、そんな理想的な理念がすぐに作れるわけがないのです。もし作れるとしたら、他社事例を参考にして作った模範解答的な理念に過ぎなく、社長の魂が入っていない借りものの理念でしょう。
●私はセミナーで幾度となく「経営理念は変えても良い」と申し上げてきましたが、今後はもっと大胆にこう申し上げることにしました。
「経営理念はどんどん変わっていくべきだ」
「経営理念は毎年、いや、当面は毎月変わっても構わない」
と。
●ドラッカーはこう述べています。
「私は父とシュンペーターとの会話に同席し、三つのことを学んだ。一つは、人は何によって人に知られたいかを自問しなければならない。二つは、その問いに対する答えは、歳をとるにつれて変わっていかなければならないということである。成長に伴って、変わっていかなければならない。三つめは、本当に知られるに値することは人を素晴らしい人に変えることであるということである」
( ドラッカー『プロフェッショナルの条件』(ダイヤモンド社)より )
●成長と自己変革に応じて理念はもちろん、理想も変わっていくものです。
ドラッカーも語っているように人も会社も「何によって人に知られたいか」を自問しなければならないし、それは、歳をとるにつれ、成長するにつれ、変わっていかなければならない性質のものだと思います。
●経営理念も長期ビジョンもどんどん変わるべし。
ただし、どうせ変わるから作らない、というのでなく、変わるために今作るのです。
明日でも今晩でもなく、5分の時間があれば今すぐにでも作り始められるもの、それが「経営理念」です。
●まずは、「今月の経営理念」を毎月作りましょう。だんだん変える必要がない理念に仕上がっていくことでしょう。そうしたら今度は、「年度経営理念」に格上げし、やがて年度も取ってしまえば良いのです。
それが理念を成文化するときの正しい姿勢だと思います。
「もう逃げるのはやめましょう。今作ってください。今です。今、この場で作ることができますから、やってみましょう!」と。
A社長は「経営理念を作りたい。そして、中長期の経営ビジョンもまとめ上げたい」ということで、私が主催するセミナーに参加されました。
●複数回にわたって経営理念の作り方をご説明し、そのための書式も差し上げました。でも二ヶ月たった、そのときになっても理念が一行も出来ていないというのです。
その理由は「あと延ばし」の誘惑に負けているからではないでしょうか。
経営理念を教科書的に理解すると金縛りにあってしまい、結局「あと延ばし」してしまいます。
●教科書いわく、「経営理念は未来永劫変わらないもので、それこそ社長が何世代も代替わりしようとも変わらない我社の根本的価値観と理想を文章にしたもの」
今までそれに近いものが何もなかったのに、そんな理想的な理念がすぐに作れるわけがないのです。もし作れるとしたら、他社事例を参考にして作った模範解答的な理念に過ぎなく、社長の魂が入っていない借りものの理念でしょう。
●私はセミナーで幾度となく「経営理念は変えても良い」と申し上げてきましたが、今後はもっと大胆にこう申し上げることにしました。
「経営理念はどんどん変わっていくべきだ」
「経営理念は毎年、いや、当面は毎月変わっても構わない」
と。
●ドラッカーはこう述べています。
「私は父とシュンペーターとの会話に同席し、三つのことを学んだ。一つは、人は何によって人に知られたいかを自問しなければならない。二つは、その問いに対する答えは、歳をとるにつれて変わっていかなければならないということである。成長に伴って、変わっていかなければならない。三つめは、本当に知られるに値することは人を素晴らしい人に変えることであるということである」
( ドラッカー『プロフェッショナルの条件』(ダイヤモンド社)より )
●成長と自己変革に応じて理念はもちろん、理想も変わっていくものです。
ドラッカーも語っているように人も会社も「何によって人に知られたいか」を自問しなければならないし、それは、歳をとるにつれ、成長するにつれ、変わっていかなければならない性質のものだと思います。
●経営理念も長期ビジョンもどんどん変わるべし。
ただし、どうせ変わるから作らない、というのでなく、変わるために今作るのです。
明日でも今晩でもなく、5分の時間があれば今すぐにでも作り始められるもの、それが「経営理念」です。
●まずは、「今月の経営理念」を毎月作りましょう。だんだん変える必要がない理念に仕上がっていくことでしょう。そうしたら今度は、「年度経営理念」に格上げし、やがて年度も取ってしまえば良いのです。
それが理念を成文化するときの正しい姿勢だと思います。
ボードメンバープロフィール
武沢 信行氏
1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。
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