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リストラと戦略コストを使い分ける

投稿日時:2010/10/15(金) 13:00rss

●肥っている人はもちろん、中高年になればほとんどの人がダイエットが必要だそうです。新陳代謝が不活発になるからでしょう。
それと似て、企業だって10年以上たてば常時リストラが必要です。経費の使い方を見直し、経費率を下げる取り組みをしないと自然に経費が増大していく宿命にあるのが会社というもの。

●一円でも無駄な経費は削減していきましょう。それは、経理部門に任せるのではなく、経費削減担当役員をおいてリーダーシップを発揮してもらいましょう。当然、その役員は兼任でも構いませんが、現場ににらみを利かせられる立場の人がよいでしょう。

●それと同時に、将来の売上げを増加させるための経費は「投資」と考えて、削減すべき経費とは別枠で管理したいもの。そうした費用をここでは「戦略コスト」とよびますが、あなたの会社にとっての「戦略コスト」とは何の費用でしょうか。

●知人のある会社は、日本全国を販売エリアとしています。しかし、営業マンは驚くほど少なく、日本中を役員3名だけで回っていた時期もあります。
それでも年商10億、粗利益9億、社員数40名、労働生産性2,000万超という結果を出していたから立派なものです。
この会社の当時の「戦略コスト」は「旅費交通費」でした。毎月コンスタントに300万円ほど使っていたのです。つまり、毎月300万円の交通費をかけて7500万円の月間粗利益を稼いでいたわけですから、25倍の利回りです。抜群の投資効果といえそうです。

●はじめてこの金額を聞いたとき、私はビックリしました。何たる自由奔放な経費の使い方。しかし、この社長は「戦略コスト」という言葉こそ使わないものの、「交通費は投資である」という考えをお持ちだったのです。
私も真似して月間100万円以上の交通費を使ってみましたが、25倍の2500万円も粗利益が稼げそうもなかったので、あわてて減らしたことがあります。

●「教育費」が戦略コストの会社もあります。また、「通信費」(電話・FAX代、切手代など)が営業成果に正比例するという会社もありますし、「家賃が戦略コストだ」という会社もあります。

●投資であるかぎりは、見返りを明確にしましょう。

たとえば、新しいオフィスに毎月50万円の家賃を支払うのであれば、その5倍から10倍の粗利益増加が見込めれば良いのですが、家賃倒れになるのであれば、投資から撤退すべきです。
そうしたコスト意識と投資利回りの観点から、無駄を排除し、ジリ貧にならない新しい機会創造も行っていくべきなのです。

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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