武沢信行の「社長の学校・事始め」 | 経営者会報 (社長ブログ)
社長業を極めるためのカリキュラムについて、「日本的経営のリニューアル」という視点から紹介します
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良寛さんが嫌ったもの
●「ステレオタイプ」(英: Stereotype)は社会学の用語で、「紋切型態度」と訳される。印刷のステロ版(鉛版)印刷術が語源で、判で押したように同じ考えや態度や見方が、多くの人に浸透している状態を言う。
●「お前も悪よの~」という代官はいかにも狡猾な悪代官のイメージがあるし、そう言われて声をかみ殺して卑劣に笑う悪徳商人にも特有のイメージがある。
白衣を着せたら医者か学者らしくみえるし、年輩の女性にヒョウ柄か虎柄のシャツを着てもらい、飴でもなめてもらったら、不思議なことに関西のおばちゃんらしくみえてくる。
こういうのを「ステレオタイプ」とか「紋切り型」という。
●江戸時代の僧侶・良寛(りょうかん)は「紋切り型」なものとして、次のものをあげ、いずれも大いに嫌った。
・詩人がつくる詩
・書家がかく書
・料理人がつくる料理
●さらに良寛は、次のものも嫌った。
悟りくさき話、学者くさき話、茶人くさき話、風雅くさき話、作為的な香りがするもの、もっともらしいもの、など。
今風にいえば、ウンチク話や教訓めいた話、説教などを嫌ったのだろう。
●「おいしいね、このワイン」といえばそれで充分なのに、
「さすがボルドーのビンテージだね。特にこれはカベルネ・フランの方だから、ソービニヨンより丸みと繊細さが同居してるのが分かるよねぇ。特に2000年のボルドーは当たり年でね、ちょうどその年に僕は友人を誘ってブルゴーニュからボルドーのワイナリーを回ってた時なんだよ。それでね・・・。」
などとやられた日には、せっかくのワインがまずくなる。
●「ステレオタイプ」「紋切り型」「もっともらしい」ものはまだまだたくさんある。
・講演家の講演
・ギタリストのギター
・プログラマーのプログラム
・建築家の建築
・マンガ家のマンガ
・デザイナーのデザイン
・コンサルタントのコンサルティング
・MBA理論の経営
・・・etc.
プロといわれるものの多くは、自然と紋切り型になりがちだ。
●これらはすべて良寛さんなら嫌うだろう。あえて、「らしくない」ものを目指そう。
本質的なものは形にとらわれない。常識に固まらない。スタイルを固定しない。
ボードメンバープロフィール
武沢 信行氏
1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。
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