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彼の流儀

投稿日時:2011/04/15(金) 14:28rss

●一定の年齢になると、自分独自のスタイルや流儀をもつように心がけたいものです。
 
私の場合は、平日は毎日メルマガなどの原稿を2~3本書き、ブログやFacebookでそれらを外部に発信しています。1本のメルマガ作成に要する時間はおおむね2時間です。原則として書き溜めをしません。その日のメッセージはその日に書くのが好きだからそうしています。従って、月曜日から金曜日まで毎朝最低でも3~4時間は原稿を書くのが私の10年来の日課になっています。
 
●そんなお話しをある所でしたところ、懇親会である経営者からこんな助言をいただきました。
 
「武沢さん、私もメルマガを発行していますが、基本的にはすきま時間を見つけてやっています。仕事に支障が出ないやり方があると思いますので、武沢さんももっとすきま時間を活用して書いてみられてはどうですか?」
 
●助言は大変ありがたいのですが、価値観や流儀が違うのです。
 
私の場合は、メルマガ発行が大切な仕事です。メインの仕事と言っても構いません。ですから、すきま時間でやることではないのです。
これが私の流儀です。流儀とは価値観を反映させたもの。こだわりのようなものです。
 
●ある経営者は、経営会議の時間の半分はメモをとっています。何をそんなに書いているのか尋ねると、
「部下の発言内容をメモるときもあるが、それから触発される自分のアイデアをメモることが多い。一回の会議で10頁以上のメモ量になることもある」ということでした。
 
これが彼の流儀です。
 
●ベートーベンは膨大な数の楽譜メモ断片を残していますが、作曲中にはそれらのメモを見ることはなかったといいます。「なぜそうするのか?」と尋ねられたベートーベンは、「一度書かないと忘れるが、一度書けば忘れない。だからもう見る必要はない」と答えたといいます。
 
これが彼の流儀です。
 
●自分が話すのを自分が聞いて学ぶ人もいます。GMの中興の祖とも言われるアルフレッド・スローンもその一人で、会議中には一切メモをとらなかった。部下の発言で、重要なものがあればスローンは自分の言葉でもう一度同じことを語り、その場で咀嚼してしまう人だったのでしょう。
 
これが彼の流儀です。
 
●このように人それぞれに仕事の流儀というものがあって、正解は一つではありません。自分にとって最も高い成果が得られるスタイルを見つけ、自覚し、磨き、貫きましょう。
 
なぜなら、会社経営とは流儀のかたまりのようなものだからです。

 

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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