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社長の癖が会社の癖

投稿日時:2012/04/13(金) 13:30rss

●「経営体質が良い」とか「財務体質が強い」などと表現することがあります。先日もセミナーでそんなお話をしたところ、ある経営者から「"体質"ってなんですか?」と聞かれました。
かしこまってそう聞かれると言葉を失いそうでしたが、私はそのとき「時間をかけてできあがった『癖』のようなものです」とご説明しました。
 
●「癖」とは、積極的に選んでそうしている場合もあれば、何となくそれを続けるうちに癖になってしまったものもあるでしょう。朝寝坊や深酒のように、直したいと思いつつも、なかなか直らない癖だってあるでしょう。
浪費癖、遅刻癖、怠け癖、寝坊癖、散らかし癖などネガティブなものもあれば、努力癖、読書癖、勉強癖、売り癖、儲け癖、掃除癖、節約癖、貯蓄癖など好ましいものもあります。
 
●よい会社を作っていくということは、社員によい癖を作らせていくということでもあります。「よい癖とはどういうものか、悪い癖とはなにか」を教え、みなでそれを実行していくことが会社全体の癖になり、風土になり、体質になるのです。
 
●船井総研の船井幸雄さんは、社長には次の四つの癖が必要だと雑誌のコラムに書いておられました。
それは、
(1)働き癖
(2)学び癖
(3)節約癖
(4)儲け癖
の四つでした。
 
●私はそれを読んで「なるほどなぁ」と思うと同時に、その中でも「儲け癖」が一番大事なのではないかと思いました。なぜなら、他の三つにくらべてマスターするのが難しいからです。むしろ「儲け癖」の反対の「損癖」の方が一度でもついてしまうと、少し儲けが出ただけですぐに舞い上がったりお金を使ってしまったりすることが多いからです。
 
●「儲け癖」を養う一番てっとり早い方法は、「儲け癖」がある人と一緒にビジネスをすることです。しかし、現実にはなかなかそうした機会には遭遇しません。そこで、「儲け癖」がある経営者が書いた本を読むか、セミナーを受けるなどして儲け癖の心をあなたのなかに養っていくことが大切です。そして、その思いや決意を経営計画書にきっぱりと明記していくのです。
 
 

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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