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随所に主となる

投稿日時:2012/09/28(金) 10:00rss

●5年前にご主人を、2年前に父親を亡くされたご婦人が相談に来られました。膨大な土地や建物、株券、預金を相続したのですが相談相手がいない。毎日のように様々な業者から営業アプローチを受けて頭は混乱。その上、相続税や固定資産税の取り立てにあううちに、軽いウツ状態になってしまったそうです。他人がみたらうらやむような金満家でも、ひとたび防戦一方になると辛いそうです。
 
●防戦一方から攻撃に転じましょう。金満であろうが、金欠であろうが関係ない。大切なことはあなたにとって価値ある目標をもち、それを実現する計画があり、今日もそれに向けてベストを尽くすことができたという事実。そのくり返しが、あなたをあなたらしくしていくのです。
 
●東京エレクトロン(東証一部)の元副社長・風間善樹氏は、若い社員に向かって「どうしてもダメなら会社を辞めて、ラーメン屋でもトラックの運転手でもやったほうがいい。そのほうがいい人生を送れるぞ」とハッパをかけてきたそうです。社員の一部はそれを実行し、本当に植木屋や印刷屋、ラーメン屋になって生き甲斐ある日々を送るようになった人がかなりいると本に書いておられます。
 
『考えるよりまず動け!』(風間善樹著、東洋経済)
 
 
●「球の表面はどこでも中心」と風間氏は説きます。たしかに、白い野球ボールにどこでも好きな場所にペンで点をつけてみよう。点をつけたその場所が球の中心になるのが分かります。
地球も玉のように丸いので、あなたはどこへ行っても立っている場所が地球の中心だということです。決してエゴイズムの自己中心ではなく、至る所にあなたが中心になれる場所があるということです。
 
●禅宗の教えに「随所に主となる」という言葉があります。「なんじ、すべからく、随所に主となれば、たちどころに皆真なり」というものです。これは、どこでも主人になれとか、どこでもリーダーシップを発揮せよという教えではありません。真の独立者(主体性を発揮して生きる人)は、どこに行っても周囲や環境と適合し、自然に調和してうまくやってゆける、という意味なのです。
 
●社員が主人公。社員が主となれるような会社、社員が好きなことに熱中できるような会社は、トップが「売上○○億」などと号令を発せずとも自然に伸びるのではないでしょうか。
 
 

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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