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雇用を守りたいのはやまやまだが その1

投稿日時:2009/02/13(金) 15:53rss

●先日、日産自動車は「最悪のシナリオが現実のものとなっている」として、業績見通しの大幅下方修正と2万人の人員削減を発表しました。その発言に対し、株式市場は比較的冷静な受け止め方をしており、同社の株価は上昇さえしています。

●「2万人削減」の内訳は、1.2万人が国内、残り8千人が国外だそうです。しかし、希望退職の募集や工場閉鎖などによるドラスティックなリストラではなく、新規採用の抑制と定年退職や通常退職などの自然減だけで、その程度の人員削減が可能ということでした。ひとまず、動的な人員削減により、失業者が一気に増えるというものではないようなので、一安心ではあります。

●「失業者」といえば、昨年より「派遣切り」が問題になっています。テレビや新聞では、派遣社員を切った企業が悪者で、切られて失業した人たちが被害者という図式で報道されていますが、本当にそんな単純な構図なのでしょうか? 派遣契約を解除した企業が、一方的に悪いわけではないと思うのです。

●企業側としては、契約通りに動いているに過ぎません。また、仮に契約を一方的に反故にする場合でも、違約金などを支払っています。派遣社員だけが一方的に被害を受けているように報じているマスコミの姿勢がおかしいことは、大多数の国民も気がついているはずですが、それを識者や評論家たちが誰も指摘しないのはどうしたことでしょう。
●失業することになった責任の半分(以上)は自己責任です。「自分株式会社」の社長として自分のマネジメントに失敗した結果ともいえるでしょう。もちろん、仕事やお金がないという辛さは大変気の毒だし、保護してあげるべきだとは思います。しかし、そうなった責任を周囲に押しつけることはできません。それを否定することは、自由主義、資本主義の否定につながります。

●残念ながら失業した人たちは、新しい知識や技術を習得したうえで、介護や通信技術のような有効求人倍率の高い分野に自分を売り込むべきです。行政や民間団体は、たんにお金を与えて保護するのではなく、彼らの転職を可能にするための教育訓練や、人生目標の設定支援などで彼らの自立を促すべきでしょう

●では、「失業の半分(以上)は自己責任」だとしたら、残り半分は誰の責任でしょうか。それは、派遣社員になる前に正社員として勤務していたならばその会社の社長、新卒で派遣労働者になった若者の場合は、親や学校の先生ではないでしょうか。

社員教育や人生教育をきちんとやれば、失業してどこにも行き先がないという社員を作ることはなかったはずなのです

<次回に続く>

ボードメンバープロフィール

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武沢 信行氏

1954年生まれ。愛知県名古屋市在住の経営コンサルタント。中小企業の社長に圧倒的な人気を誇る日刊メールマガジン『がんばれ社長!今日のポイント』発行者(部数27,000)。メルマガ読者の交流会「非凡会」を全国展開するほか、2005年より中国でもメルマガを中国語で配信し、すでに16,000人の読者を集めている。名古屋本社の他、東京虎ノ門、中国上海市にも現地オフィスをもつ。著書に、『当たり前だけどわかっていない経営の教科書』(明日香出版社)などがある。

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